2002年7月号

FDブートできるほど小さなLinuxシステムを構築する

特集 Linux徹底詳解――ブート&ルートファイルシステム

 PC/AT互換機アーキテクチャの組み込み向け小型マザーボードの普及や,ストレージの大容量化/低価格化により,デスクトップ用のLinuxを組み込みの世界にそのまま持ち込むことも可能にはなった.しかし,巨大なOSはすべてを把握することが困難で,ブラックボックスを抱えたままシステムに組み込むことになる.また,簡単なプログラムを作成しただけでプログラムサイズが大きくなり,ストレージの容量の厳しい用途には使えないことさえある.

 本特集では,まずライブラリに頼らないCプログラミングについて解説し,まず「Hello,world!」を表示するだけのブートフロッピーディスクを作成してみる.次にPC/AT互換機におけるLinuxの起動手順を解説し,実際にオリジナルのブートプログラムを作成する.そして,最小限のLinuxカーネルを起動させるために,カーネルの最適化や,インストールするコマンドと共有ライブラリなどを洗い出し,ルートファイルシステムを作成する.最終的にこれをフロッピーディスクに書き込み,最小サイズのLinuxシステムを構築する.

特集執筆:西田 亙

プロローグ Linuxを理解するための四つのポイント
なぜLinuxは難しいのか?

第1章 「Hello,world!」プログラム実行のからくりを解く
標準Cライブラリを使わないプログラミング

第2章 GNU開発ツールを用いてリアルモードプログラミング
BIOS版「Hello,world!」プログラムの作成

第3章 コーディングから理解するLinuxのブート機構
Linuxオリジナルブートローダの作成

第4章 ゼロから組み立てる1フロッピーディスクLinux
オリジナルルートファイルシステムの構築

Appendix ブートディスクのテストにも便利な
x86エミュレータBochsの使い方


プロローグ Linuxを理解するための四つのポイント
     なぜLinuxは難しいのか?

このページ以降で特集の内容の一部をご紹介します



インデックス
序章
 1.PC-UNIXの普及と従来型パッケージの限界
 2.Linuxの理解をはばむもの
 3.本質を見極めよう
Chapter1
 1.プログラムの再考
 2.共有ライブラリの正体

Copyright 2002 西田 亙


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