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メインボードテスト K7用BIOSTAR製M7MKA

 最近市場に多くで回ってきているBIOSTAR製のAthlonメインボードM7MKAを紹介します.ISAスロットも標準で2本搭載しATA66もサポートしています.


チップセット
 ノースブリッジ AMD751
 サウスブリッジ AMD756

  なお,ATXで6層基板らしく重厚な作りです.サイズは304.8x213mmです.AWARDのBIOSを搭載しています.なお,バックパネルのほうから見て,バックパネル側にファンが来ない向きでAthlonをとりつけます.つまり,多くのPentium2メインボードの場合と同じ向きということです.

テスト環境
 CPU Athlon 500MHz 
 システムバス100MHz
 メモリ 64MB PC100仕様
 ハードディスク クアンタム FBCR4.3 ATA66
 グラフィックスカード Aopen PA3010 TNT2 32MB

 

HDBENCH   31383
Fogcity2 Direct3D Normal Detail 36.06
OPENGL 50.11

HDBENCH

ALL Text Scroll DD Read Write Memory
       31383 43990 32263 76182 16140 52844 1110 41 13931 14607 27678

結果
 従来のAthlonメインボードは,どちらかというとサンプル的な作りで,新しいCPUを使用する新しいメインボードという印象でした.しかし,このメインボードからは完成した製品である,という感じがします.付属CD-ROMも良くできていますし,マニュアルもわかりやすいです.
 また,ベンチマーク結果でも,Athlonが優秀であることを感じさせます.グラフィックスカードはTNT2カードなので,CPUが高速だとその分グラフィックス処理も高速になってくれます.これなら,テストではなく,自分のシステムを実現してみようかなという感じです.

組立感想 BIOSTAR製M7MKA
 組立については,設定しなくてはならない部分が少ないので,それほど難しくありません.フロントパネルのスイッチやLED関連のコネクタが判別困難なことくらいです.完成したら,付属CD-ROMからドライバ類をインストールします.これも,メニューが自動実行で表示されるので比較的簡単です.

コラム●PCBのシルク印刷
 DIYにもある程度慣れてくると,マニュアルを読まずに,PCB上のシルク印刷をみて設定しがちです.5年くらい前のこと,ASUSTeK製のメインボード上には,ジャンパー設定などのシルク印刷はありませんでした.GIGABYTE製のメインボードにはシルク印刷がありました.マニュアルが付属している場合には問題ないのですが,ジャンクや中古品でパーツを買う場合には,シルク印刷だけが頼りです.
 しかし,PCBの工場も訪問したジュリアスは,シルク印刷の危険性をみなさんにもっと知ってもらいたいと思っています.つまり,シルク印刷をPCBに行うには,設計が終わったすぐの段階で発注することになります.しかも,このPCBは千単位や万単位で発注する場合もあります.PCBを作っているとき,設計が変更される場合があります.そのとき,PCBそのものを変更しなければならない場合なら,シルク印刷もやり直しということで問題解決できます.
 しかし,PCBを作り直すほどの必要性は無い場合もあります.たとえば,AMDがK6-2をリリースするとき,最初は2.1Vと言っていました.これは,設計者に対する情報ですから,K6-2が実際にリリースされる数か月前です.多くのメーカーは2.1Vで設計を開始しました.しかし,途中から2.2Vに仕様変更になりました.この変更では,取り付ける抵抗などの数値が異なるだけで,PCB自体を作り直す必要はありません.ただ,できあがったPCBには2.1Vとシルク印刷でプリントされているのです.
 つまり,この場合,PCBを作った後の変更はシルク印刷には反映されなかったわけです.そこで,製品の設計段階から情報の新しさを示すと次のようになります.下に行くほど新しい情報です.
 PCB上のシルク印刷
 製品添付のマニュアル
 付属CD-ROMなどのreadmeファイル
 メーカーのWeb記載情報
 このことをよく知っておいてください.ジャンクで入手したパーツでも,PCB上のシルク印刷だけを信じず,Web記載情報も参照するようにしてください.
 ところで,DIY用のパーツの場合には以上でよいのですが,最近メーカー製マシンをアップグレードしようとして,PCB上のシルク印刷を参考にして何かしようというユーザーがいます.もちろん,多くの場合,問題はありません.しかし,メーカー製システムの場合には,ユーザーがPCBに触れて何かをすることを前提として設計されていません.カタログスペックを満たせばよいのです.従って,PCB上のプリントの信用度はかなり低いものと判断すべきなのです.将来のアップグレード用の設定や仕様変更されている設定があるかもしれません.メーカー製システムを改造したりする場合には,この種の危険を考慮しておいてください.

 

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Copyright 1999 岩村益典