1999 4/14

ついにマイクロスター新ドーターカードがリリース

 台湾企業紳士録の著者ジュリアス岩村は,Celeronをデュアルで使えるという,マイクロスターの新ドーターカードを台湾台北縣中和市微星科技(マイクロスター)本社で入手しました.MS-6905 V1.1(右の写真)です.ただし,このカードは,台湾本社での入手のため,日本で入手できるものとは,少し仕様が異なっている可能性があります.
 先のV1(左の写真)と比較すると,電圧設定ジャンパーとCeleronデュアル設定ジャンパーがあります.このことにより,カード自体に何ら変更を加えることなく,Celeronデュアルを実現することができます.
 ただし,PCB上には,Celeronデュアルのジャンパーであるとの記載はありません.
 なお,ジュリアスが3月はじめに見たサンプルには,もう一つのジャンパーがあり,それにはCyrixと書かれていました.どうやらCyrixの互換CPU用のジャンパーなのですが,CPU自体がまたよくわかっていないので,ジュリアスとしてコメントできませんが,このジャンパーが消えたことはまだCyrixCPUは準備できていないということなのでしょう.

 台湾からの出荷は先週でしたから,もうすぐ店頭に並ぶと思われます.
 


● ドーターカード雑考 

 噂によると,インテル社は,スロット1にソケット370を取り付けるドーターカードをいろいろとテストしたらしい.ジュリアスのテストでは,速さ自体はドーターカードによるベンチマークでの差はありませんでした.あくまでも,つなぎ製品という印象だったので,あまり意識していないテストでしたが,今回このドーターカードを使う必要性が多くなってきそうな状況に気づいたため,より詳細にレポートを続けていきたいと考えています.

 今回は,プロコンプ社のものを入手しました.D370AといいCPU支持具付きのきれいな化粧箱に入った自信作です.キャップが付いている製品は多いのですが,支持具付きというのは,古いメインボードを持っている人に朗報です.しかし,支持具を付けるとなるとメインボードを筐体から取り外す必要があるので,少し不便です.そんなときは,付属のキャップが使えるかもしれません.


 メインボード担当のPeterさんのお話では,この種のカードを避けて今後のPCを語ることは困難だ,とのことです.インテルは,スロット1については,Pentium3を推奨しています.今後Pentium2は市場から少なくなっていくことでしょう.
 そうなると,過去にLXチップセットメインボードで,266MHzくらいまでのCPUを取り付けていたユーザーが,より高速なCPUに安く交換するには,ソケット370Celeronしかない,というのがその理由です.そのために,ドーターカードは不可欠になる,という理屈です.
 ジュリアスもスロット1タイプのCeleron366を買っておきました. 

ドーターカードの使いこなしのこつ

 ドーターカードを使うと,多くのスロット1メインボードのCPU温度センサーは,使えなくなります.これは,動作しないということではなく,物理的な形状がスロット1CPUとソケット370CPUとで異なるため,センサーに正確な温度が伝わらないためです.それでも何とかしたい人は,たとえば,マイクロスターのTopTech2搭載メインボードを採用することです.クリップ付き温度センサーを搭載しているので,クリップをソケット370用クーラーに取り付ければよいのです.
 さらに,多くのドーターカードは,スロット1CPUよりも高さが高いため,筐体によっては,電源装置などが邪魔になって取り付けることができなくなり可能性があります.ご注意ください.いずれ,情報は集まってくるでしょうが,購入時には,店頭で筐体内のスペースを確認した方がよいでしょう.

 したがって,ソケット370メインボードを購入することがベストであることはいうまでもありません.

マイクロスターMS-6153

 ところで,ジュリアスが今回入手した,マイクロスターMS-6153は,クリップ付きセンサーや100MHzジャンパなども搭載し,見る限りでは,現時点のベストチョイスと考えます.

 写真でもわかるようにISA2本,クリエイティブのPCIサウンドもオンボードです.また,システムバスを100MHzに設定するジャンパーもあり,パワーユーザー好みです.ATXなので,拡張性もよいです.ちかく,テスト結果を紹介するのでご期待ください.

 また,ASUSTeKのSiS620メインボードMES-VMは,ATA66に対応し,グラフィックス・サウンドオンボードの製品です.こちらはMicroATXなので,マイクロスターと比べて好みの分かれるところです.これらメインボードも近くテストしたいと思っています


Copyright 1999 岩村益典