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VIAの新製品Mathew,Ezra

 VIAとは、意外と知られてはいませんが、Very Innovative Architechtureの頭語です。現在は1200人程度のスタッフで、その中でも80%がエンジニアであることが特徴です。自社では工場を持たず、製品の多くをTSMCの工場で生産しています。TSMCは台湾でも有数のチップ工場であり、nVIDIAなどもチップの製造を委託しています。同じくチップセットメーカーとして有名なSiSが自社で工場を持っているのと対照的です。

 一部でささやかれているような、VIAが今後インテルプロセッサ【例】ソケット370プロセッサ Pentium4用のチップセットを製造しないのではないか、という点に関し、スタッフに尋ねてみました。結論から言うと、販売実績が増え、インテルと一位を争う状態になったVIAとしては、当然、すべてのPC/ATプロセッサ用のチップセットを用意していかなくてはならない、とのことです。

 プロセッサ+ノースブリッジ+グラフィックスという新プロセッサMathewは、0.15ミクロンで600MHzというものからリリースされるそうで、このMathewに高クロック版をリリースする予定は現時点ではないそうです。Mathewが300ドルPCを原則とする、低価格PC用のプロセッサだからとのことです。Mathewはソケットに取り付けるのではなく、直接PCBにはんだづけして取り付ける仕様なのです。

 プロセッサ部分は、Cyrixlll:Samuelを採用しています。Samuelには2種類あります。Samuel1もSamuel2も、0.18ミクロンですが、Samuel1にはL2キャッシュが搭載されていないのに対し、Samuel2にはL2キャッシュが搭載されている点が異なります。これに伴い、Mathewも2種類リリースされる可能性があります。インテルがこれに属する製品として企画していたTimnaを中止したので、残されたのはVIAのMathewとSiSが現在開発しているという新プロセッサのみになりました。

 今回は、ApolloPro266:VT8633を搭載したリファレンスメインボードを見せていただきました。写真を見てもわかるように、デュアル構成でSCSIもオンボードです。Proとある製品はPentium系用です。KMとはKTとかKで始まるのがK7用です。

 ApolloPro266は、DDR200/266 SDRAM,PC66/100/133SDRAMをサポートし、最大容量は2GBです。サウスブリッジには、VT8233を採用し、USBを6ポートサポートします。

 次に、VIAの次世代P6系プロセッサは0.13ミクロンでコードネームを聖書からとり「Ezra:エズラ」といいます。1GHz以上をサポートし、第3四半期にリリースの予定です。

 VIAの命運はDDRによる、とも言えますが、ApolloPro266はPC133もサポートするので、インテルに対するRAMBUSのほど頑固ではないといえます。

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Copyright 2001 岩村益典