PROCOMP (Procomp Informatics LTD. ) www.procomp.com.tw
5F, 69-10, Sec 2, Chung Cheng E. RD., Tamshui, Taipei Hsien, Taiwan, R.O.C. Tel: 886-2-2809-5230,Fax: 886-2-2809-5227

 設立は1991年で,ASUSTeKのあるMRT忠義駅の先,終点の淡水に近い工業ビル群にあります.住所も淡水です.筆者は,大阪のソフトアイランドでサウンドカードを購入して使っていたこともあり,サウンドカードのメーカーだと思っていました.しかし,訪ねてみると,完全に誤解でした.筆者に,PROCOMP社を紹介してくれ,一緒にPROCOMPを訪問した友人Jordanも「大きな会社だね」と驚いていたくらいです.

 製品は,メインボード,サウンドカード,グラフィックスカード,DVDデコーダなど非常に幅の広い会社です. 最初に訪問したときは,Leadtekと同じ状況で,本社と工場は同一工業ビル群のいろいろな棟に分かれていました.「もう限界なので,近く工場を移転する」とマーケティング担当のAmbroseさんのお話でした.

 11月に台湾訪問した際,特別に工場を見せてもらいました.工場は本社から車で15分くらいのところ,淡水の高台にあります.非常に景色の良いところで,筆者個人としては,働くよりも,景色を眺めていたいようなところです.工場の建物は,さる日本企業のエレベータ工場だったというだけあって,天井の高い巨大なものです.今後の拡張にも対応できるように配慮しているようで,故意に空きスペースを多くとっています.広い工場になってか,仕事をしているみなさんものびのびしているように感じます.

 チップ関連については,新竹の工業区で作っているようですが,PCBを使った製品,たとえばサウンドカード,メインボード,グラフィックスカードなどは,この淡水の工場で作っています.PROCOMPでのOEMの割合は40%から60%ということで,今後は30%くらいまでOEMの割合を下げていきたいとこのことです.
 サウンドカードはESS Solo 1やMaestro 2などを搭載タイプなど,グラフィックスカードでは,Intel:740,Trident 9750,VooDoo系までリリースしています.メインボード関連では,BXメインボードやApollo Pro,SiS 5600,Media GXmなどもリリースまたはリリース予定です.DVDデコーダもあり,ドライブとデコーダカードなどを化粧箱に詰め込んだDVD KITがとてもかわいいパッケージで欲しくなってしまいました.

 設立は1991年で,マーケットシェアは,アメリカが40%,ヨーロッパが40%,その他アジアなどが20%です.

5/8追加

 淡水にあるPROCOMPを訪ねました(取材執筆3/3).
 今回は,R&Dのネルソンさんが熱心に質問に答えてくれたため,今まで不明だったところが少しずつわかりかけてきたような気がします.
 さて,PROCOMPでは,昨年R&Dをかなり強化したとのことです.これは,従来マルチメディア系の商品が多かったのですが,メインボードも加えて強力に推進していくそうです.とくに重要な問題は,新しく紹介されるチップセットのWhitneyやCaminoと呼ばれる商品では,FSB133MHzに対応するメインボードの設計に関わることです.FSBが66MHzから100MHzになっただけでも,昨年の取材でも明らかになったように,かなりノイズが乗る,そして,メモリのアクセスなどが問題になる,とのことでした.今回のネルソンさんのお話でも,そのような問題に対処しなければならない点と,電波EMIが多く出るといった障害について話がありました.
 メインボードの製造過程においてもっともコストがかかるのがPCB(プリント基板)の製作です.PCBを試作するたびに何度もやりかえるということは非常に面倒なことです(試作段階ではチップ部品を人手でよってはんだづけしなければなりません).
 いままで,クロック(FSB)の低かったときはPCBの試作を1回か2回で済ませることができていたものが,133MHzになると何度も試作を繰り返さなければ満足のいく製品にならない可能性が出てくるわけです.すなわち,クロックの速いメインボードを作成するためには,試作を繰り返す充分な資金が必要であるし,また,そのときの無駄な出費を抑えるためにも強力なR&Dチームのサポートが必要となってくるそうです.
 実際には,133MHzのメインボードをやすやすと製作できるメーカーは次第に減ってきて,今年の末には10社くらいにまでなってしまうのではないか,という観測もあります.また,これはBIOSの記事で書きましたが,ハードウェア,PCBを何度も作り替えるということができない以上,ハードウェアのバグを取るというBIOSの役割も非常に重要なものがあり,当然PROCOMPではBIOSのソースコードの使用契約をし,BIOSをモディファイしているそうです.
 ローコストPCの世界では,810のWhitneyも含め,当然CeBITに向けてすでに開発は終了しているそうです.このようなマルチメディア系のパーツについては今までPROCOMPの得意としてきたところなので,かなり期待できるのではないかと思います.
 つまり,クロックが速くなることでPCBの設計が厳しくなる,レイアウトの設計,配線プリントの設計が厳しくなるということがわかりました.

メインボードPCB上の配線の流れについて>more
チップセットの多機能化>more


戻る