Archtek(http://www.archtek.com.tw/)
Archtek Telecom Corp.
4F,No.9, Lane 130, Min-Chyuan Rd., Hsin-Tien, Taipei, Taiwan R.O.C.

 日本でモデムなどの通信機器を使用するためには,単に製品を作って輸入するだけではだめです.JATEと呼ばれる日本の法人の認証を受けなければなりません.この認証を世界で最初に受けたモデムライザーカードのメーカーがArchtek社です.実際に使った記事は,Julius Iwamura Hardware Page TRY!PC版のメインボード編のところに書きましたので,そちらを参照してください.

 Archtek社自体は1986年に設立され,KOOグループと呼ばれるグループの一員です.ネットワーク関連のデバイスを多く手がけており,モデムだけではなくUSBハブやイーサネットのハブなども製造しています.今回は会社を訪れただけではなく,モデムライザーカードについても詳しい説明を受けました.

 モデムライザーカードには2種類あり,プライマリタイプとセカンダリタイプがあります.また,モデムライザーカードにはモトローラ社の仕様とスマートリンク社の仕様があり,Archtek社ではスマートリンク社のドライバを使用しています.また,今回のチップセットはMicrosoft社のWindowsロゴも取得しています.

 もっとも,筆者が関心を持ったのが,モデムライザーカードは通常のカード型PCIモデムの半額くらいといわれているため,そのようなものがたくさん出るということは企業にとってはうれしい反面,儲けが少ないということも意味しています.このことをストレートにスタッフに投げかけてみると,「確かにこの状況はArchtek社にとっても1つの試練です.ただ,AMRSlotを搭載していないメインボードでは使えないため,各メインボードメーカーがバンドルして売りたいという要望が多く来ています.その意味で,今までとは違ったルートで製品を販売することができるので売上個数は増加すると予想されます.ですから,デメリットは少ないものと判断しています」ということでした.また,日本のメーカーとも交渉中で,日本でもこのArchtek社のモデムを購入することができるようになると思います.

 しかし,ここで重要なことは,Archtek社はJATEの認証を受けてしまっているので日本で販売しなければもったいないのです.日本のメーカーのブランドの場合であればOEMという形になりますが,Archtek社はArchtek社として販売したいと強く考えているようです.小型でモデムを実現することができるので,メーカー製品に,そしてDIYユーザーにも人気が出そうです.たしかにISDNは便利ですが,個人ユーザーで普通にダイヤルアップするという目的であれば,まだまだモデムに需要があります.

1999-10月号


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