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トーテックアメニティ(株)

坂井 幸治 氏

 

 トーテックアメニティ(株)は,富士通製のオフコンや,PCを使った業務処理システムの構築サービスなどを行っている会社です.多くの技術者を抱え,LANの工事などもすべて社内の人材でこなしています.愛知・岐阜・三重などの地域に密着したサービスを,知識と経験に基づいたノウハウを生かして提供しています.  また,オープンシステムやクライアント/サーバーシステムに早くから取り組んでおり,マイクロソフト製品ももちろんですが,その他製品の各代理店・リセラーなどとしても積極的に販売・サポートを行っているとのことです.

■「3 in 1」オペレーションでトータルにサポート

---- まず会社概要から教えてください.
 現在のメイン業務は,システムインテグレーションを中心に,技術者派遣サービスである「アウトソーシング」,ハードウエア・ソフトウエアのメンテナンスサポート,ネットワークの構築支援・工事,教育事業などを行っています.特に構築ということに関しては,ノウハウも技術者もかなり抱えています.社員のうち,300名ほどが技術者です.

---- 他社との差別化となるのは?
 工事の技術者などもたくさん抱えていますし,オフコンも手掛けてきているので,システム構築の経験も豊富です.それと,先ほど挙げました「アウトソーシング」,これは,弊社からコンピューター技術者,SE,構築・設計のできる技術者などを派遣するサービスなのですが,システム構築にあたって弊社がすべて代行する場合もありますし,「アウトソーシング」サービスを提供して,構築を行っていただくことも可能です.
 また,会社規模の拡大から数年前に分社しました.それによって,弊社のほかに,ソフトウエアの開発を担当するトーテックエンジニアリング(株)と,帳票用紙などのビジネス消耗品やコピー機などを扱うトーテックビジネスサポート(株)が誕生したのですが,この3社で一体となって顧客へのサービスを提供しています.
 「Three in One Operation」というタイトルを掲げて,3社が連携し,提案から実際に導入,運用,そしてサポートや教育にいたるまで,すべてのニーズにお応えしている,というのが特徴かと思います.この3社の窓口となる営業の部門は,弊社が担当しています.
 それにもともとは電話交換機の販売を手がけていましたから,システム導入時のLANの敷設まで自社で行ってしまいます.このようなところは,一般的なサービスプロバイダーでは外注にすることが多いのですが.こうしてトータルで技術とサービスを提供しているのです.

---- 顧客層は?
 大企業が多いですね.特に,この愛知県というのは,製造業が多いですからね.弊社は愛知の製造業とともに育ってきたと言えるでしょう.
 数としては中小規模も多いですね.顧客4,000社のうち,2,000社ほどは,従業員50人未満の会社です.業種としては,さまざまな業種に対応した営業体制ですが,中心となるのは,製造業,流通業,官公庁です.
 活動地域は,愛知,岐阜・三重などが中心となります.

■ クライアント/サーバーシステムへの移行は時代の要請

---- オープンシステムやクライアント/サーバーシステムに対しても,早くから取り組まれていたということですが?  
 そうですね.4年前ほどから,クライアント/サーバーシステムには取り組んでいました.その理由は,世の中の流れというのもありますが,個別の顧客のニーズもかなりありました.大手の製造業の顧客のニーズに応えるために取り組んだのが,ここへ来て広がってきたというところです.

---- BackOffice製品などは,具体的にどれをよく扱っていますか?
 最近はグループウエアが人気ですね.弊社では「グループウエアの導入サービス」という形で,Exchange Server+ソフトウエア開発などを,商品化・メニュー化して販売しています.今まで培ってきたノウハウで,日報や会議室予約の機能も作り込んでいます.
 また,製造業にはSQL Serverで作ったシステムなども多くなっていますよ.

---- オフコン,UNIX,NTと,幅広く手掛けている中で,Windows NTの利点とは何でしょうか?
 やはり「安い,(構築が)速い.安心できる」ということではないでしょうか.
 構築にかかる費用が安く済み,構築期間も短縮できる,そして,その上で動かすアプリケーションとして,パッケージ化したものを使うことにより,必要な機能がそろった,実績のある,顧客が安心して使えるシステムが簡単に構築できる,と言えます.
 弊社でも,主にNTで業務アプリケーションの部品化,パッケージ化を行っています.「AP-WORKS」シリーズという,生産管理や販売管理などの総合業務パッケージです.残念ながらデータベースはOracleなのですが(笑).

---- 残念ですね(笑).SQL Serverへの対応は予定されていないのですか?
 予定しています.ただ,ユーザーにとっては,アプリケーションが大切なのであって,データベースがSQLかOracleかは,関係ないようですね.
 またOSに関しても,顧客としては実際に使う業務システムが大切なのであって,そのOSが何であるか,データベースが何で動いているか,ということはどうでもいいのだと思います.顧客はNTが欲しいわけではなく,その上で動くシステムが欲しいのですから,弊社としても「こんなアプリケーションがありますので,これだけの投資でこれだけのシステムが作れますよ」という提案をしてNTの導入を勧めています.
 そのような中で,最近はオフコンからNTへのリプレースも進んでいます.特に,中堅規模の基幹業務にはBackOfficeが向いていると思います.

---- 実際にBackOffice製品でのシステム構築事例を教えていただけますか?
 例えば,今進行中の案件としては,ある化学製造メーカーで,全国9事業所のISO9000対応文書管理を,本社のExchange Serverを用いて集中管理するシステムを構築しています(図1).電子伝票などを利用してペーパーレスのワークフローを実現したり,モバイル対応にして業務日報を含めた営業支援のシステムにしたり,商品開発のスケジュール管理なども行っています.

■「2000年」以降伸びる中小 事業所の導入需要

---- 今後のシステム導入に関しては,どのように見ていますか?
 やはり中小企業への導入が進んでいくと思います.現在も2000年問題の対応と併せて,統合業務パッケージごと導入するというケースが増えていますが,中には,システム導入は考えているが,今は2000年問題の対応に手一杯で,こちらの対応を終わらせてからシステム導入をする,というところもあります.そこに今後入っていくシステムは当然NTでしょう.
 弊社としても,中堅規模の事業部門への導入などに注目していきたいと思っています.ただ,米国のような,ベンチャーやSOHOが日本に育つのかはわからないところですね.
 しかし今後は規制緩和や終身雇用の崩れにより,独立自営業や分社,契約社員など今までとは違う働き方が増えれば,SOHOの市場は間違いなく拡大すると思います.楽しみな分野には違いありません.

■OSのバージョンアップは…

---- サービスプロバイダーとして,一番苦労されている点は何ですか?
 やはり,OSのバージョンが上がるのは対応に苦労しますね.ただ,それは世の中のニーズですから(笑).

---- 顧客のサポートはどのように対応しているのですか?
 サポートのヘルプデスクやリモートでのメンテナンスなども手がけていますが,すべてメニュー化してあり,必要に応じて契約していただくようになっていますので,苦労や混乱はありません.

---- ありがとうございました.

(インタビュ/後藤志磨子)

Information

● 設立:1971年 ● 代表:坂井 幸治 ● 従業員数:420名 ● 所在地:愛知県名古屋市中区 ● TEL:052-201-1811 ● URL:http://www.ccchubu.co.jp/TOTEC/ ● 担当部署:事業推進部 ● 担当者:田中 靖史 ● E-mail:ytanaka@totec.co.jp
● 主な事業内容:情報・通信システムの企画・提案・構築,および付随する各種サービスの提供(ソフトウエア,人材派遣,サポート,教育事業など) ● 取得MCP:Windows NT Server,Windows NT Workstation

1998年9月号掲載