SQL Server版のパッケージソフトを集めた
展示ブースの様子

 セミナー当日,講演会場の隣に設けられた実演コーナーでは出展企業7社によるデモンストレーションが行われ,多数の受講者でにぎわいました.7社の顔ぶれは,(株)クレオ,(株)ダンクソフト,(株)コベルコシステム,(株)オービックビジネスコンサルタント,応研(株),ピーシーエー(株),ソニーシステムデザイン(株)です.
 休憩時間や昼休み時に実演コーナーに訪れては,デモンストレータの説明に熱心に耳を傾け,積極的に質問をするセミナー受講者が多く,展示ブースの中には一度に十数人が訪れて黒山の人だかりになるところも見受けられました.
◆ 受講者の声
 受講者の声をいくつか拾ってみたので,ご紹介しましょう.代表的だったのが次のような声です.
 「実演コーナーが設けられているとは知らなかったが,どのような会社がどのような製品を開発しているのかが分かっておもしろい.世の中の動きを知る上で参考になります」
 「SQL Serverのセミナーなので,SQL Server版のパッケージソフトには非常に興味があります.データウェアハウスとどう関連付けられているのかも知りたい」
 「SQL Server 7.0の新機能と経営革新を起こす経営分析ツールの実力」が今回のセミナーのタイトル.そこに訪れた受講者なのですから,当然の反応といえるでしょう.グループウェアへの関心が高かったのも1つの傾向でした.「私もインテグレータなんです」というある受講者からは,次のようなコメントをいただきました.
 「販売管理や仕入れ管理だけではなかなか売れないのが現状です.グループウェアと合わせて提供することを考えています.ノーツのような既存のグループウェアはある程度の規模でないと導入できないし,どうしても重くなってフォローが大変.手ころで扱いやすい製品には非常に興味があります」
 具体的なインストールやカスタマイズの方法について関心を持つ受講者も多かったようです.「自社でもグループウェアを導入していますが,他社製品と比較する意味で説明を聞いてみました.インストールが本当にカンタンなのか,セットアップには手間がかからないのかを知りたい」こう話してくれた受講者は,すべての展示ブースを回っていました.
 実演コーナーに出展している7社のうち,販売管理や仕入れ管理,財務管理ソフトウェアを扱う会社が複数あったためか,「税制改正で新しく認められた会計帳簿書類の電子データ保存について知りたい」という声も多く聞かれました.
 「他社製品の情報を集めて回りました」と話すのはデベロッパ会社の方です.主催側にとっては嬉しい誤算ではありましたが,ソフトウェアを運用する側だけでなく,販売する側,開発する側と,受講者が所属する会社の業種は多岐にわたっていたようです.
◆ 出展サイドのコメント
 8月に発売したばかりのグループウェア「WebHello」のデモを行ったソニーシステムデザインから次のような話がありました.
 「SQL Serverのセミナーだからでしょう.SQLについて詳しい方が多いのに驚きました.設備予約のソフトウェアをすでに導入しているけれど,こちらに置き換えたいとか,ネットワーク環境は整っているがまだ何も使っていないという方から,かなり具体的な質問を受けました.どれぐらいの規模の企業やユーザーを対象にしているのかといった具合に,導入についてかなり現実的な関心を持っている方が多かったようです」
 Web Helloには,設備予約とグループスケジュールの2つの製品がありますが,中でも設備予約の反応が高かったといいます.この展示ブースで説明を受けていたある受講者もこう話していました.
 「設備予約も800名以上になるとSQL Serverにした方がいいと思うので,こちらの説明を聞いてみましたが,なかなか面白い内容で関心はありますね」
 また別のブースではPCA会計,PCA商管,PCA商魂でおなじみのピーシーエーのデモンストレータがこう話していました.
 「SQL Serverに関する質問が細かいですね.SQL Serverにすることでどのようなメリットがあるのかという質問が多かったです.SQL Serverに関するセミナーだから,突っ込んだ質問をしやすいのかもしれません.NT版に変えるにはどうしたらいいのかといった,導入について前向きな質問を多数受けました.WAN環境に関する質問も多く,遠隔操作できるものは何かと尋ねる受講者が目立ったのも今回の大きな特徴です」
 販売大臣,大蔵大臣,給与大臣,建設大臣を扱う応研は,受講者の反応についてこんな風に話してくれました.
 「パッケージソフトウェアへの関心が非常に強くなっているなと感じました.現在はオフコンを使っているが,2000年問題を前にしてリプレースについて検討中,という方が多かったですね.パッケージソフトウェアでどこまでカバーできるのか,どれだけの機能があるのかに関しては強い関心があるようです.今まで使っていた帳票などを崩したくない,そのまま使いたいというのがお客様の本音なので,パッケージでそれがどれだけ可能かを知りたいということなのでしょう」
 同じように,パッケージソフトウェアへの関心が高くなってきたと話すのは勘定奉行,商奉行,蔵奉行,給与奉行を手掛けるオービックビジネスコンサルタントのデモンストレータです.
 「オフコンからのリプレース,2000年問題,ランニングコストの問題と,パッケージソフトウェアへの関心は非常に高いものがあります.景気もかなり影響しているのではないでしょうか.SQL Serverのバージョンアップを検討されているユーザーも目立ちました.質問で多かったのは,OSの対応についてですね」
 パッケージソフトウェアの必要性が高まってきていることは間違いないようです.
 営業マンが記す営業報告書を企業の戦略データに変える,SIXを扱うコベルコシステムのデモンストレータは次のように話します.
 「営業のデータをどう戦略に生かすのかという点についての関心は高いようです.メールで公開しても単なる言葉の羅列で,情報公開にならない,社内で共有化できない,生きたデータにならないという問題点があるんですね.SIXでどのようなメリットがあるのか,どのような風に使えるのかという質問を多く受けました.ただ,実際の導入に関しては,『あったらいいな』というまだ漠然とした段階のようです.SQL Serverについては,すでに導入している方が多いので,共通の言葉を使えるという印象を持ちました」
 経営支援システム「結果往来」のデモンストレーションを行っていたダンクソフトに一番多く寄せられた質問は次のようなものだったといいます.
 「原価管理表についての質問が目立ちました.モノを作ると,仕入れのコストと同時に人件費も発生します.これらのコスト管理を行いたいが,Excelで作るには無理があり,データベースでないと原価は出てこないので,原価管理表はみなさんにとって一番関心が高い項目なんですね.『受注と仕入れをどうひも付けできるのか,実際に見せて』という踏み込んだ質問も多数受けました」
 会計/人事給与システムCBMSを手掛けるクレオにも,デモンストレーションの反応について聞いてみました.
 「電子帳簿制度に興味を持っている方が多いように感じました.今までの制度とどう違うのか,コストはどう変わるのか,財務帳票はどうなるのかという質問をたくさん受けました.業務を効率化したいという意識も強いようですね.伝票をまとめてではなく,その都度その都度,仕分けを意識せずに入力して効率アップを図りたいというニーズの強さがうかがえます」
 扱っている製品が違う以上,当然受講者の反応もさまざまですが,共通するのはSQLに対する知識と興味の高さ,そしてパッケージソフトウェアへの関心の強さでした.デモンストレーションを体験し,パンフレットを持ち帰ってさらに検討を重ねている受講者も多いのではないでしょうか.
                              <三田村 蕗子>