ソリューションプロバイダーは,マイクロソフト社の製品を使ったシステム構築を行い,企業を支援してくれます.その組織は現在800社を超えた大きなものとなっています. |
今日の企業において,コンピューターはちょっとした連絡から基幹業務まであらゆるところに入り込み,必要不可欠な存在となっています.
また,Windows NTおよびBackOffice製品群の出現によって,PCによって構築したシステムへの移行が加速度的に進んでいます.これに,2000年問題がさらなる追い風となっています.この変化に対応できた企業こそが,今後の発展への大きな可能性を持っていると言っても過言ではないでしょう.
しかしながら,今までは一括受託&カスタマイズで動かしていたようなシステムを,いったいどのように構築すべきか,運用はどのようにすべきかなど,問題は山のようにあります.
事実,複雑に進化し続けるコンピューターシステムは,企業のIT担当者およびシステム管理者にとって,大きな負担となっていることでしょう.
ここで,大きなバックアップを与えてくれる存在があります.「マイクロソフト ソリューション プロバイダー(Microsoft Certified Solution Provider:MCSP)」です.
● 編集部が独自に取材を行ったMCSPについて
数あるMCSP各社を1つの特集ですべて紹介することは不可能です.ここでは,MCSPの導入面,また教育面に的をしぼり,1997年9月に行われたマイクロソフトソリューションプロバイダー総会で,1996年7月〜1997年6月の期間の導入事例の実績を証明するSIA(Solution In Action)アワードを受賞した10社,および同総会にて優秀なトレーナーとしてATECアワード(個人)を受賞した3名のトレーナーの方に取材を行いました.
以下,作成中
● MCSPはどんなソリューションを提供してくれるのか
MCSPとは,マイクロソフト社のビジネス市場におけるパートナー企業です.一定の条件を満たし,Windows NT/ BackOfficeを中心としたマイクロソフト製品を利用した優れたビジネスソリューションを提供する能力を認められた企業のみが,MCSPとなることができます.
ビジネスソリューションとは,具体的には以下のものがあります.
◆コンサルティング
個々の製品の単なる導入だけでなく,業務コンサルテーション,データベース設計,システム設計などのビジネスニーズに対する多種多様なコンサルティングサービスを提供します.
◆システムインテグレーション
会社に合ったシステム導入の提案から実際の導入まで,高品質の充実したサービスを提供します.
◆アプリケーション開発
各会社に合わせてアプリケーションを開発するところ,パッケージのソフトウエアを提供するところなど,さまざまです.
◆教育
マイクロソフトが特に教育のスペシャリスト企業として認定したMCSPは「マイクロソフト認定技術教育センター(ATEC)」と呼ばれます.ATECでは,SE,技術サポート要員,開発者,情報システム管理者などを対象に,マイクロソフト公認の技術教育コース「マイクロソフトユニバーシティ(Microsoft
University:MSU)」を開催しています.
提供するソリューションもさまざまなら,その各MCSP企業の出自および企業形態もさまざまです.ソフトウエア開発から立ち上がった企業,ハードメーカー,大企業の1部署から独立した企業,100%出資の子会社など,まさに千差万別です.
●MCSPは厳しい条件をクリアーしている
MCSPには,特約パートナー企業とメンバー企業があります.二者はそれぞれ以下のように位置づけられています.
◆特約パートナー企業
高い技術レベルと豊富なノウハウを持ち,大規模なシステムインテグレーションを提供する企業です.業務プロセスのコンサルティング,ソリューションの設計や導入,マルチベンダーインテグレーション,教育や技術支援といった広範囲にわたる各種サービスにおいて最先端の専門技術を提供する企業が対象です.
◆メンバー企業
専門性や地域性を生かしたきめ細かい,専門的な各種サービスを提供することで,よりユーザーに密着したソリューションビジネスを展開している企業です.中小規模のシステムインテグレーション,アプリケーション開発,教育などで各企業の特性を生かした特徴のあるソリューションを提供する企業が対象です.
具体的には,表1の条件を満たした企業にそれぞれのMCSPの資格が与えられます.
特約パートナー,メンバー企業には,技術情報の提供や最新製品のベータ版,各種セミナーへの参加,社内で使用するサーバー製品やデスクトップ製品,開発キットなど,さまざまな特典があり,マイクロソフト製品への知識をより深めることができるシステムになっています.
また,MCSPを目指す企業のためには,契約費用(30万円)のみでMCSPメンバー企業とほぼ同等の特典(一部除外あり)が与えられるMCSP Readyプログラムというものもあります(あくまでもMCSPを目指す企業のためのプログラムであり,期間は1年に限定).
● 全国に広がるMCSP
では,実際にMCSPはどのくらいあるのでしょうか?詳細は,URL(http:// www.microsoft.com/japan/partners/ msp/)からアクセス可能です.全国を活動地域としているプロバイダーだけでも200社近くありますので,自社に合った1つを選びだすのは大変ですが,このWeb上では業種別,活動地域別などさまざまな切り口で検索できるようになっています.
1998年3月号,4月号掲載記事.取材時の時点の内容になっています.
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