第1章 JSPの概要

 JSP(JavaServer Pages)とは,HTMLファイルにJavaプログラムやJavaBeansコンポーネント(サン・マイクロシステムズのJavaによるコンポーネント)を埋め込むことによって,動的なWebコンテンツをブラウザに表示する技術です.

 JSPは,J2EE (Java 2 Enterprise Edition)の一部で,EJB(Enterprise JavaBeans)コンポーネントのフロントエンドとして,WebブラウザとEJBをつなぐサーバアプリケーションを開発できます.J2EEとEJBについては,8章で詳細に述べますが,J2EEとはJ2SE(Java 2 Platform, Standard Edition:従来のJDK) のスーパーセットで,エンタープライズ向けにEJB,サーブレット(Servlet:サーバ側で実行するJavaプログラム),JSPなどを追加することで,主にサーバ側の機能を拡張したものです.EJBは,J2EEの一部で,オブジェクト指向の分散アプリケーションを開発し,配置し,実行するための環境です.この環境を利用することにより,開発者は,トランザクション,セキュリティ,ライフサイクル管理,データベース・アクセスなどの煩雑なシステムレベルの処理を記述することから解放され,ビジネスロジックに集中して開発していくことができます.

 JSP 1.1では,Java Servlet 2.2の仕様で定めるクラスを使います.JSP 1.1とServlet 2.2はJava Runtime Environment 1.1の機能に依存し,これらは互換性を持ち,J2RE(Java 2 Runtime Environment:J2SE対応アプリケーションを実行するための実行環境)を利用できます.

 この章では,従来の動的なWebコンテンツ技術について整理してから,JSPについて述べます.


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今野 睦/飯塚 富雄/杉野 博史/渡辺 康隆/佐藤 章

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