パワーMOSFETはパワー・トランジスタよりスイッチング駆動電力も小さい パワーMOSFETを直流で駆動する場合は,ドライブ回路の電力が小さくて済むことがわかりました.しかし図1の等価回路からわかるとおり,パワーMOSFETを高周波信号などでスイッチング駆動する場合は,等価的にコンデンサを充放電していると考えられるため,スイッチング周波数が上がるにつれて大きな駆動電力が必要になります.
パワー・トランジスタとパワーMOSFETのスイッチング駆動電力は以下の式で求めます. PT(SW)=IB(VBE+IBrB)DON (1) PM(SW)=fQGVG (2) ただし, PT(SW):パワー・トランジスタの駆動電力[W] PM(SW):パワーMOSFETの駆動電力[W] IB:ベース電流[A] rB:ベース寄生抵抗[Ω] VBE:ベース−エミッタ間電圧[V] DON:オン・デューティ[%] f:スイッチング周波数[Hz] QG:ゲート入力電荷量[C] VG:信号源出力電圧[V] ここで,2SC3345と2SK2614を使って両者の駆動電力を算出してみます.(1)式と(2)式に さらに高周波におけるドライブ電力を考えると,パワー・トランジスタはDON の低減とともに小さくなりますが,パワーMOSFETは増加します.計算ではf =768kHzで両者の駆動電力は等しくなります.しかしパワー・トランジスタは後で述べるように,スイッチング速度が遅いため約100kHzまでの周波数では使えますが,果して768kHzまで使えるかどうかは疑問です. Copyright 2000 トランジスタ技術編集部 編 |
|
Copyright 1997-2001 CQ Publishing Co.,Ltd.