パワーMOSFETはチップ・サイズが小さく小型化が容易である パワーMOSFETのチップ・サイズは,微細化技術の進歩とともに,年々セルの小型化および高集積化が進んでおり,素子の外形が小さくなっています.とくに低電圧系のパワーMOSFETは,セル密度が4600セル/mm2の製品が実現化されています. Nチャネル・パワーMOSFETとNPNパワー・トランジスタの飽和電圧×チップ面積を比べてみると,パワーMOSFETのほうがすでに小さくなっています.つまり現在同一定格電流,電圧の製品を比べると,パワーMOSFETのほうがパワー・トランジスタよりもチップ・サイズが小さいといえます. パワーMOSFETの電気的特性の測定法(1) 2SK2614を例にパワーMOSFETのおもな電気的特性の具体的な測定法について説明します.表1に2SK2614の電気的特性を示します.
ゲート漏れ電流IGSS(図1)
ドレイン−ソース間電圧がゼロのときのドレイン電流です. 一般的には電流計をソースと電源VGG間に直列に入れて測定します.IGSS はとても小さい(10μA以下)ため,直接読み取れる電流計がない場合は,抵抗RS (100kΩ程度)を電流計の位置に挿入してその両端の電圧から求めることも可能です. ドレイン-ソース間降伏電圧V(BR)DSS(図2)
ゲート−ソース間電圧がゼロのとき,指定のドレイン電流が流れるときのドレイン−ソース間電圧です. ブレークダウンさせたときの素子の破壊を防ぐために,ドレインと電源間に抵抗10kΩを挿入し,VDD をゼロから徐々に上げていき,電流値が10mAになったときのドレイン−ソース間電圧VDS を読みます. ゲートしきい値電圧VGS(OFF)(図3)
ドレイン電流がカット・オフするときのゲート−ソース間電圧です. まず電源電圧を15Vとします.つぎにVGS(OFF)の測定条件VDS =10V,ID =1mAからRL を求めると500Ωとなります.発振防止用のゲート抵抗100Ωを挿入してVGG を可変し,電流計の値が1mAになったときのゲート−ソース間電圧を読み取ります. Copyright 2000 トランジスタ技術編集部 編 |
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