ローバンドの楽しみと運用テクニック

短波のコンディションは,11年周期といわれる太陽黒点数の増減により大きく変化します.サイクル23のコンディションがピークを過ぎた現在,年々黒点数が減少しているため,とりわけ21MHz以上のハイバンドではコンディションの低下が顕著に見られるようになっています.このようにハイバンドのコンディションが落ち込んでくると,いよいよローバンドシーズンが到来します.本特集では,来るローバンドシーズンに向けて,1.9〜7MHzにおける電波伝搬を解説するとともに,これらのバンドで役立つ運用テクニックや周波数別の楽しみ方を紹介します.



コンディション,楽しみ方,CW運用テクニック
ローバンド運用への招待


ローバンド運用は,広い土地と大型アンテナ,さらにはkWクラスのハイパワーが必須と思われがちですが,集合住宅などの生活環境でもローバンドは楽しめます.ハム入門者,中高年のカムバックハム,都会住まいであきらめていた方など,個々の環境に相応しい運用スタイルで,ぜひローバンドを体験してください.



1.8MHzでAH3D ジョンストン島と交信!
ベランダアンテナでローバンドを楽しむ


筆者は,開局の翌年(1978年)から,7/21/28MHzのトライバンド八木アンテナでHF運用を始め,ハイバンドを中心に,DXCC100エンティティとの交信を達成しました.しかし,転居を重ねるうちに,八木アンテナを立てることがむずかしい住環境となり,現在は8階建て集合住宅の7階から,ベランダアンテナでアマチュア無線の運用を楽しんでいます.ここでは,筆者のアパマン設備によるローバンド運用の楽しみ方を紹介します.



子供のころから憧れていた山小屋シャックからQRV!
初めてのローバンド奮闘記


筆者は,もっぱら週末だけの運用でしたが,10カ月たらずの運用で,目標としていたDXCC 200エンティティとの交信,およびWAZ(世界の40ゾーンと交信)を達成したので,次の目標をローバンドへの進出と1kW免許の取得と定めました.ここでは,アンテナの選択に頭を悩ました筆者のローバンド初挑戦のようすを紹介します.