Editorの基礎:校正編

 仮にも編集者を名乗るなら,これだけはやっちゃぁまずいでしょ,という誤字・誤変換.とはいえ,市販の雑誌などにときどき堂々と載っていますけど….気をつけたいものです.

 え,これ間違いなの? というあなた,だいじょうぶです,こんな細かいことをいちいちチェックするのは編集者ぐらいですから.え,あなたも編集者?


* これをやってはシロウト!

思考錯誤 → 試行錯誤

 思考が錯誤していたら,たいへんです.

…を内臓する → …を内蔵する

 冗談みたいな本当のはなし.

絶体にだめ → 絶対にだめ

 反対に,「絶対絶命」なんてのもあります.確かにまぁそうかもしれませんが.

シュミレーション → シミュレーション

 これを間違っている人はけっこういます.かくいうわたしも,かつては間違って使っていました(Editor以前).

・・・つづく

* まぁ,うっかりすることもあります

便 → 宅配便

 「宅急便」はクロネコヤマトの商標です.

・・・つづく

* これはけっこうムズカシイ

先輩をえる → 先輩を超える

 「超越」,どちらも「こえる」ですが,物理的に(接しながら)越えるのが「越」,数字や心理的な意味で上回っている場合は「超」,という風にわたしは使い分けています.でも,この使いわけが唯一正しいというわけでもない,かもしれません.

* これはたいへんムズカシイ

抜き言葉

 可能,受身,自発,尊敬の四つの意味で「〜れる,〜られる」を使うとき,受身・自発・尊敬では「〜られる」というのに,可能では「〜れる」という場合,これは「ら抜き言葉だ.日本語が乱れている.可能のときも"〜られる"というべきだ」という論があります.
 一方,可能の場合のみ言いかたが変わる言葉もあり(ex:"飲める"),可能の場合のみ「〜れる」になるのも許容範囲だ,という論もあります.
 わたしとしては,基本的に「ら抜きはみっともない」と思っている反面,最近,「これは"ら"をつけると不自然では?」と感じる言葉もあることに気がつきました.
 例えば….

  • 来れる  ←「来られる」にすべき?
  • 来れない ←「来られない」にすべき?
  • 着れる  ←「着られる」にすべき?
  • 着れない ←「着られない」にすべき?

 書き言葉はともかく,話し言葉で「着られない」というのは不自然なような気がします.…どうなのでしょう.
 また,その一方でやはり,

  • 降りれる  →「降りられる」でしょ!

などと思うのですが….自分の感性だけを頼りにするなんて,あてにならないものです.何か基準はないのでしょうか.ご存じのかたがいらっしゃれば,ぜひ教えてください.

・・・つづく