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回路計算の基礎からマクスウェルの方程式まで
電子回路設計のための電気/無線数学

石井 聡 著
A5判 432ページ
定価3,520円(税込)
JAN9784789830249
2008年5月15日発行
好評発売中!
電子回路設計のための電気/無線数学

 電子回路は回路理論のとおりに動いています.その回路理論の基礎が数学です.
 本書は現場での応用力を養うことを目的に,電子回路に必要な数学を,わかりやすく解説しています.難易度の階段を登っていくように,そしてそのほぼ全てが単なる「加減乗除」であることを再発見しつつ,オームの法則に始まり,交流回路,微分積分,過渡現象,実際の回路計算や伝送線路,電磁気学そして難解と言われるマクスウェルの方程式まで,ワンステップずつ理解を進めていきます.

目次

第1章 回路理論と数式/数学は回路設計に必要なツール・ボックス
 1-1 プロローグ:回路設計技術者人間模様
 1-2 回路設計技術者としての数式/数学
 1-3 数式/数学:難しいと思うから難しい
 Column1 我が家のくだらない会話

第2章 オームの法則と基本的な回路網の計算
 2-1 基本がわかればあとはその延長.怖いものはない
 2-2 電池と抵抗の基本回路で基本定理をマスターしよう
 2-3 回路の電流,電圧を方程式化する
 2-4 回路を洞察するうえで必要な定理たち
 Column2 回路を数学的思考する育て方

第3章 位相と複素数が出てくるとわからない
 3-1 交流信号と位相をどうやって示そうか
 3-2 一旦周波数を忘れて,振幅と位相,特に位相に目を向ける
 3-3 複素数をeとからめて交流信号に導入す
 3-4 複素数もわかれば簡単,交流回路解析も一発解決
 Column3 離島も実は陸続き

第4章 交流回路はオームの法則プラス複素数
 4-1 交流回路は直流と同じように計算できる
 4-2 ホントに使える設計現場の交流回路計算
 4-3 三角関数の公式は覚えなくても使えるようにしておこう
 Column4 パーセント・インピーダンス

第5章 微分と積分は水とコップ
 5-1 微分と積分を説明するまえに
 5-2 コップに注ぐ水で微分を理解する
 5-3 コップに注ぐ水で積分を理解する
 5-4 電気/無線数学でよく使う微分/積分計算の例
 Column5 江崎玲於奈博士を間近にして

第6章 SPICEなんて使わずに過渡現象を手計算してみよう
 6-1 過渡現象/過渡応答とは何だろう
 6-2 過渡現象計算の有能工具「ラプラス変換」
 6-3 実際にラプラス変換で回路方程式を解いてみよう
 Column6 シミュレーションの有効性

第7章 苦手だった回路理論の計算ははんだゴテと同じツール
 7-1 回路理論を現実の電子回路に応用する
 7-2 回路理論と抵抗を用いた回路の計算
 7-3 回路理論と電子部品/電子素子
 Column7 回路技術は組み合わせ

第8章 「ホントに使うの?」電磁気学の計算も現場で生きる
 8-1 磁界の振る舞いから洞察力をつけてみる
 8-2 電界の振る舞いから洞察力をつけてみる
 8-3 実験机で遭遇しやすい電磁気事象を取り上げる
 Column8 整合が取れているSI単位

第9章 無線回路計算もおちゃのこさいさい
 9-1 高周波回路の基本を達観する
 9-2 増幅回路と発振回路を踏破する
 9-3 無線システムの計算を看破する
 Column9 高周波はどこから高周波?

第10章 伝送線路の計算もちょちょいのちょい
 10-1 伝送線路と分布定数の意味合いを考えよう
 10-2 分布定数回路の特性インピーダンスを求めてみよう
 10-3 伝送線路/分布定数回路の負荷がかわるとどうなるか
 10-4 伝送線路/分布定数回路の話題からスミス・チャートへ
 Column10 音楽理論と愉しみの音楽

第11章 高度に見える電磁気学の演算子をビジュアルに理解しよう
 11-1 電磁気学でのベクトルとは,そしてベクトル場とは
 11-2 もう一度,内積と外積をおさらいしよう
 11-3 交響曲電磁気学 第1,2楽章「ベクトル微分演算子(nabla)」and「勾配(gradient)」
 11-4 交響曲電磁気学 第3楽章「発散(divergence)」
 11-5 交響曲電磁気学 第4楽章「回転(rotation)」
 Column11 技術者としての人生「綿々と連なり繋がり」

第12章 マクスウェルの方程式までジャンプして電波を考えてみよう
 12-1 電磁気現象を表しつくすマクスウェルの方程式
 12-2 ガウスの法則と発散divから得られる方程式『その1』
 12-3 ガウスの法則/ビオ・サバールの法則と発散divから得られる方程式『その2』
 12-4 アンペアの周回積分の法則と変位電流から得られる方程式『その3』
 12-5 ファラデーの法則(電磁誘導の法則)から得られる方程式『その4』
 12-6 電波の振る舞いをマクスウェルの方程式から予測する
 12-7 表皮効果をマクスウェルの方程式から求めてみる
 12-8 エピローグ:回路設計技術者人間模様
 Column12 数式では解決できない課題

 参考文献
 索引