Last Update 2004/03/24

ディジタル回路テイクオフ指南
回路設計を越えたセンスを身につけよう

小林 芳直 著
A5判 256ページ
定価1,815円(税込)
JAN9784789830621
1990年1月1日発行
[絶版2004.3.23] ディジタル回路テイクオフ指南
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 単なる回路技術だけではなくて,ノイズ対策や実装技術を身につけないと確実なディジタル回路を構成できない時代になり,マイコンおよび外部とのインターフェース技術が重要視されるようになってきました.本書はそんなノウハウといわれている部分をやさしく解説しています.

目次

第1章 ようこそディジタル回路の世界へ
 1.1 これからのディジタル技術
    技術は進歩しているが
    回路技術の次に必要になること
    システム設計に入るとき
    システム設計をイメージする
 1.2 MPUの世界では
    データ・フローが大切だ
    データ処理とデータ伝送
    MPUの仕事
    CISC対RISC,CISC対MISP
 1.3 ディジタル回路を発想する…DEENの世界
    ディジタル回路は写像だ
    順序回路もコード変換だ
 1.4 現実をきわめるために
    ディジタル回路のパフォーマンスとは
    理論だけでは
    データ・ブックを愛読しよう

第2章 MPUを走らせる
 2.1 バスまわりをかためる
    MPUのまわりに用意するもの
    86系のアドレス・ラッチにはLS373/LS573
    バスを強化する…バス・バッファ
    データをラッチする
    アドレス・デコーダにはストローブをつける
 2.2 ROM/SRAMとのインターフェース
    小規模システムではDRAMを使わない
    ROMとのインターフェース
    SRAMとのインターフェース
    複数のSRAMを使うとき
 2.3 DRAMとのインターフェース
    インターフェースがやっかいな理由
    再書き込みのためのセンス・リカバリ時間が必要
    リフレッシュも必要
    リフレッシュは隙間をぬって
    だからリフレッシュ/アービタ
 2.4 ハイテックDRAMの使い方
    高速MPUに追従させる高速ページ・モード
    スタティック・カラム・モードでも
    32ビットMPUを考慮したニブル・モード
    DRAMを選択するとき
 2.5 クロックを用意するとき
    覚えておきたい周波数
    クロックを作る回路
 Appendix TTLのあらまし
    ロジックICの標準は74シリーズ
    中味はダイオードやトランジスタ
    よく使うのはLS,F,AS,ALSシリーズ
    これからはC-MOSの74シリーズか?

第3章 ビギナーのためのTTL
 3.1 TTLによる論理回路入門
    回路図はMIL記号を使って
    AND,ORゲートが論理回路の基本
    複合ゲートで回路を圧縮する
    OAゲートの応用…コンパレータの論理圧縮
    正論理と負論理の表記を明確に
    消費電力と速度を比較して選択
    オープン・コレクタは使わない
    よく使うTTL,使わないTTL
 3.2 TTLどうしをつなぐとき
    ファンインとファンアウト
    ファンアウトを使うとスピードが低下する
    ファンインは入力ピン数に比例しない
    発振するTTL
 3.3 プレイ・ラウンドを整備する
    片面基板とスルーホール基板
    4層基板が標準的だ
    パスコンがないと?
    ディジタル回路に使う抵抗,コンデンサ
 Appendix TTL裏ワザ集
    インバータを作る
    バス・バッファLS125/LS126を使う
    デコーダは複合ゲートだ
    データ・セレクタをトランスペアレント・ラッチに
    SRラッチをつくる
    クロック・イネーブル付きのDラッチ

第4章 回路をエレガントにする法
 4.1 これからは同期式で
    論理回路もスケジュール管理が大切だ
    同期式回路と非同期式回路
    タイミングはジョンソン・カウンタで
    ワンショットは使わない
    ワンショットを同期式に置き換えるアプローチ
    高度なタイミング回路でも
    シーケンサのよるタイミング回路
    タイマ用エンコーダのしくみ
    もちろんPLDも同期式だ
 4.2 カウンタを使うとき
    数をかぞえる場合
    同期式カウンタはLS163A
    LS163Aを16進までのカウンタとして使う
    LS163Aをタンデムに使う
    少し特殊なカウンタとして使うとき
    非同期式カウンタだと
    ラップ・ラウンドを防ぐには
    ノーラップ・ラウンドのアップ/ダウン・カウンタ
    M系列カウンタだって
 Appendix ラッチのはなし
    基本はSRラッチだ
    トランスペアレント・ラッチ
    エッジ・トリガDラッチ
    JKラッチ
    ラッチを選択するとき
    共通クロックへの布石
    セットアップ時間とホールド時間を守る
    LSIの中のラッチ

第5章 プリント基板から外へ
 5.1 信号線が長くなるとき
    そもそもインターフェースとは
    短い配線と長い配線
    ケーブルの常識
    多芯ケーブルではクロストロークが起こる
 5.2 信号の正しい受け渡しかた
    ターミネータを入れる
    インピーダンス・マッチング
    受信端にはシュミット・トリガ
    誤動作するシュミット・トリガ
    高周波を抑える(ダンプする)工夫
    パワー・オフのとき
    最後の決め手は良いケーブル

第6章 アナログ回路がまざるとき
 6.1 設計ルールを見直す
    アナログ信号は現場で処理するのが原則
    アナログ回路とディジタル回路が同居するときのルール
    ディジタルICからのノイズを抑える
    アナログ回路のグラウンド・ルール
    アナログ・グラウンドのは雑音電流を流さない
    30MHz以上のディジタル回路はアナログだ
 6.2 電源ライン・ノイズを抑える
    回路図は気分を出して
    +5Vからアナログ回路の電源を作るとき

第7章 メカが絡むとき
 7.1 メカニカル・インターフェースの原則
    ケーブルがほんとに必要か
    メカ・スイッチには信号を直接流さない
    スイッチ機能をプログラムの中に組込む
    コネクタもないほうがベター
    それでもコネクタを使いたいなら
    コネクタの接点を減らす
 7.2 リレーを使うとき
    リレーはモールド型だ
    有極性リレーは小さな電力で働く
    瞬時の信号でドライブできるラッチング・リレー
    こんなラッチング・リレーを作ってくれると理想的

第8章 ノイズへの保険
 8.1 ノイズを出さない,ノイズに負けないために
    EMIとEMC
    臭いものには蓋をする…シールド
    回路側の対策は高調波を減らすことに
    信号線の輻射を抑えるには
 8.2 静電気への対策も
    静電気はどこからくるの
    静電気を防ぐには
    グラウンド・ラインを整理する
    装置間のケーブルは両サイドでグラウンドに落とす