Last Update 2003/10/24

SPICEによるOPアンプ回路の設計
OPアンプの動作がもうひとまわり深くわかる

岡村 廸夫 著
A5判 256ページ
定価2,350円(税込)
JAN9784789832908
1993年5月1日発行
[絶版1999.1] SPICEによるOPアンプ回路の設計
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 アナログ回路の基本となるOPアンプ回路の設計と解析はアナログ電子回路シミュレータPSpiceを使うとより深く行うことができます.本書ではOPアンプ回路の設計・解析方法と,OPアンプやコンパレータのモデル化手法について解説します.

目次

第1章 OPアンプ基本回路の動作
1-1 反転増幅器の動作
 * はじめの衝撃
 * シミュレーションでわかること
 * オフセットとドリフト
 * オフセットの観測
 * 簡単な軽減策
 * 反転増幅器のポイント
1-2 非反転増幅器の動作
 * 入力インピーダンス
 * ブート・ストラップはどう効くか
 * 出力インピーダンス
 * 非反転増幅器のポイント
1-3 差動増幅器の動作
 * 差動成分と同相成分
 * 抵抗に誤差があるとき
 * 同相成分除去比とゲイン
 * 差動増幅器のポイント

第2章 OPアンプの微分・積分・関数発生器への応用
2-1 微分,積分回路を詳しく
 * 微分回路と発振
 * 位相補償との関係
 * ゼロ調整の効きかたと極性
2-2 交流増幅器の動作
 * しゃ断周波数はどこに
 * 片電源のOPアンプ
 * 自動ゼロ調整と低域の特性
2-3 ダイオードやトランジスタを使って
 * クランプの問題点
 * 折れ線近似と温度補償
 * スピード・アップの方法
 * オール・パッシブ関数発生器
 * 波形整形の細かな調節

第3章 発振器とフィルタへの応用
3-1 正弦波の発振器
 * クワドラチャ発振器を詳しく
 * 白熱電球のモデル
 * ウイーン・ブリッジの実験
 * ウイーン・ブリッジの回路定数の検討
 * FET等による振幅リミッタ
3-2 アクティブ・フィルタ
 * その理想と現実
 * 多重帰還型フィルタ
 * 高周波特性はどうなる
 * 通り抜け防止法の効果
 * ステート・バリアブル型
 * 高次アクティブ・フィルタの解析
 * さらに部品がばらついたとき
 * アクティブ・フィルタによる周波数可変の発振器

第4章 コンパレータとその応用回路
4-1 コンパレータの性質
 * コンパレータとシミュレーション
 * 基本的なコンパレータの実験
 * ノイズのある回路の動作と対策
 * 発振したコンパレータ
4-2 信号電圧の比較
 * コンパレータのよるロジック回路
 * コンパレータとヒステリシス
 * ウインドゥ・コンパレータ
4-3 フィードバックを使って
 * VCOを作る
 * 正のピーク・ディテクタ
 * 負のピーク・ディテクタ

第5章 誤差をもつ部品による解析
5-1 誤差の組み合わせを試す
 * 部品と誤差
 * どんな方法があるか
 * 最初のOPアンプ回路
5-2 モンテカルロ法
 * モンテカルロ法を試す
 * 実行のポイント
 * 誤差を与えるには
 * 誤差の分布を定める
 * 結果の表し方
5-3 トレースの自動記録と自動解析
 * 無人でどこまでできるか
 * PROBEのサーチ機能
 * パーフォーマンス解析
 * パーフォーマンス解析の実例
5-4 ワースト・ケースと感度解析
 * ワースト・ケース解析
 * 感度解析
 * ループのレベルと回数

第6章 ボード線図とループ・ゲイン
6-1 発振との取り組み
 * 発振の実験と観察
 * 発振のチェックに使用するモデル
6-2 ボード線図をかく
 * オフセットと振幅制限の問題
 * 自動ゼロ調整をつける
6-3 ループ・ゲインの測定
 * 位相補償の手がかり
 * バイアス電圧で変化するループ・ゲイン
 * OPアンプと外部回路
 * ローカル・フィードバックの効果

第7章 制御つき電流・電圧源とかけ算・わり算器
7-1 制御つき電圧・電流源の応用
 * 電圧で制御できるRとL
 * 電圧で制御できるC
 * 部品のコピーを作る
 * 直列にしたダイオードの模擬
 * 多入力スイッチをつくる
7-2 かけ算器と割り算器
 * かけ算器のモデル
 * 割り算器を作る
 * いくつかの関数
 * リモート・コントロール
7-3 アナログ・ビヘービァ・モデル
 * アナログ・ビヘービァ・モデルとは何か
 * EとGの限界
 * リミッタへの応用例

第8章 OPアンプ・モデルの作成
8-1 どのモデルを使うか
 * モデルを比べる
 * 既製モデルを使うくふう
 * OPアンプはいくつ入るか
8-2 OPアンプ・モデルの考え方
 * どのレベルを選ぶか
 * 汎用OPアンプのモデル
 * OPアンプ・モデルの考え方
 * 理想OPアンプのモデル
 * アナログ・ビヘービァ・モデルを用いて
8-3 モデル作成プログラムを作る
 * パルス特性を測る
 * 容量負荷での動作
 * 飽和特性とオフセット
 * モデル作成プログラムSMO

第9章 コンパレータ・モデルの作成
9-1 コンパレータのモデル
 * モデルの構造
 * 筆者のコンパレータ・モデル
9-2 コンパレータ・モデルの作成と検証
 * モデルの動作と調整法
 * 理想コンパレータ
 * 伝達特性
 * パルス応答
 * コンパレータ・モデルの実例

第10章 OPアンプ・モデルの技巧
10-1 オフセットとドリフト
 * オフセット電圧と電流
 * 温度特性を組み込む
 * 温度特性の測定
 * 指数形の温度特性
 * OPアンプが多数あるとき
10-2 ノイズのシミュレーション
 * ノイズのモデル
10-3 OPアンプ・モデルの技巧
 * 許容入力範囲
 * 片電源のモデル
 * グラウンドから浮かせる
 * 増幅度可変のモデル
 * LM308の模擬
 * CMRRおよびPSRR
 * 出力電流制限
 * アクセサリの使い方

Appendix アナログ・ビヘービァ・モデルのマニュアル
A.1 遅れのない非線形な伝達関数
 * 式による表し方
 * テーブルによる表し方
A.2 TIMEドメインの関数
 * ラプラス変換による表し方
 * 周波数テーブルによる表し方