Last Update 2003/10/15

パソコンで学ぶ自動制御の実用学
PID制御/ディジタル制御技術を基礎から実験する

宮崎 誠一/宮崎 仁 共著
A5判 256ページ
定価2,350円(税込)
JAN9784789832977
1991年7月20日発行
[絶版1996.11] パソコンで学ぶ自動制御の実用学
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.

 本書は最近のはやりであるパソコンによる自動制御…ディジタル制御を実際に体験しながら,自動制御技術を基礎からやさしく解説しています.マイコンを利用した計測・制御技術に携わる技術者,システム・エンジニアをめざす人のための実用的な入門書です.実験基板,フロッピ・ディスクを有償頒布します.

目次

第1部 フィードバック制御の入門

第1章 プロローグ…自動制御技術への誘い
 1.1 自動制御/フィードバック制御とは
  自動制御とは
  フィードバック制御を利用するところ
  多くなってきたディジタル制御
 1.2 実験で理解を深め,理論により応用能力を高める
  実用性を重視してわかりやすく
  パソコンを利用して制御実験を行なう
  実験のやり方…パソコン+ハードウェアのシミュレータ
  制御理論の理解

第2章 フィードバック制御の基礎技術
 2.1 フィードバック制御とその表現法
  温度制御の例
  制御のブロック図とフィードバック制御の流れ
  フィードバック制御系の構成
  フィードバック制御系の信号の流れ
 2.2 二つの制御方式・・・定値制御と追値制御
 2.3 フィードバック制御の制御演算式
  ON/OFF制御
  PID制御
 2.4 操作部とスイッチング制御方式
  プロセス制御と調節弁
  電気制御と連続制御
  パワー・エレクトロニクス
  操作部の影響
 2.5 アナログ制御とディジタル制御
  アナログ制御が普及した理由
  ディジタル制御のメリット
  センサと操作部のディジタル化
 2.6 ディジタルPID制御系の構成
  PIDの制御式(アナログ)
  A-D変換/D-A変換が必要
  サンプリングになる
  変数の表示のしかた
  量子化について
  ディジタル演算はCPUで行う
  出力にはホールドが必要
  PID演算式のディジタル化

第2部 PID制御の基礎

第3章 アナログPID制御
 3.1 PID制御の実験
  P(比例)動作の実験
  PI動作の実験
  PD動作の実験
  PID動作では
 3.2 制御系の表現
  良い制御を行なうには
  アナログとディジタル
  制御対象の特性
  遅れの原因
  演算子法とラプラス変換
 3.3 伝達関数と周波数応答
  伝達関数とは
  関数の表現
  ブロック図
  各種要素の伝達関数
 3.4 周波数応答
  ステップ応答の限界
  周波数応答の原理
  周波数応答の特徴

第4章 ディジタルPID制御の実際
 4.1 ディジタル制御のメリット
  PID制御
  ディジタル制御の特徴
  アドバンスト制御
  ディジタルPID制御
  ディジタル化のメリット
 4.2 ディジタル制御の条件
  ディジタル化とサンプリング
  サンプリング定理
  実際のディジタル制御における条件
  理論的な取り扱い
 4.3 ポジション・フォームとベロシティ・フォーム
  ポジション・フォーム
  ベロシティ・フォーム
  ホールドと積分
  ベロシティ・フォームの実験
  ベロシティ・フォームの特徴(その1…故障時の安全性)
  ベロシティ・フォームの特徴(その2…自動/手動の切り替え)
  ベロシティ・フォームの評価

第3部 制御成績の評価と最適調整法

第5章 制御成績の評価と周波数応答特性
 5.1 最適な応答とは
  評価基準は制御対象に依存する
  制御成績の汎用的な評価基準
  制御系の最適な応答
 5.2 周波数応答による方法
  一巡伝達関数による方法
  振動の条件
  一巡伝達関数の周波数応答実験
  一巡伝達関数を利用する効果
  安定性と安定限界
  最適応答
 5.3 伝達関数からの周波数応答の計算
  フーリエ変換を利用する
  ラプラス変換とは
  伝達関数からの計算
  ボード線図上の計算
 5.4 他の応答からの周波数応答計算
  容易な実測方式との組み合わせ
  パルス応答とは
  周波数応答を求める計算式
  実測例による評価

第6章 PID制御の評価
 6.1 アナログPID制御
  PI動作の効能
  PI動作の副作用
  PD動作の効能
  PD動作の副作用
  実用のアナログPID制御式
 6.2 ディジタル制御とパルス伝達関数
  サンプリング制御について
  z変換について
  パルス伝達関数について
  PID制御のパルス伝達関数
 6.3 ディジタル系の周波数応答
  周波数応答の定義
  ディジタル系の周波数応答の性質
  周波数応答の計算
 6.4 ディジタルPI制御の評価
  ディジタルPI制御の周波数応答
  ディジタルPI制御の制御特性の評価
  ディジタルPI制御の問題点
  エリアス周波数への対策
  ディジタルPI動作の制御式と特性
 6.5 ディジタルPD動作の評価
  フィルタのない式
  ディジタルPD動作におけるサンプリングの効用
  PD動作におけるホールドの影響
  ディジタルPD動作の評価
  ディジタルPD動作の実験

第7章 アナログPID制御の最適調整
 7.1 最適調整の考え方
  最適調整とは
  最適解の感度
  最適調整の方法
 7.2 限界感度法による最適調整法
  最適調整方式の選定基準
  限界感度法の手順
  制御対象の線形性について
  限界感度法における実験上の注意
  パソコンによる限界感度法の実験
 7.3 制御対象の特性
  制御対象の特性表現について
  むだ時間があるときの制御の難しさ
  制御対象に対するPID各動作の適用
  リアクション・カーブ法

第8章 ディジタルPID制御の最適調整
 8.1 サンプリング周期と制御成績
  ディジタル制御とサンプリング周期
  サンプリング周期と制御成績の関係
  サンプリング周期の最適値
 8.2 アナログ制御時の最適調整の利用
  アナログ手法を利用する可能性
  最適から外されたときの問題点
 8.3 拡張限界感度法
  拡張限界感度法の実験方法
  制御グレードの導入
  限界感度法の実験条件
  パソコンによる拡張限界感度法の実験
 8.4 ディジタルPID制御実用上の問題
  アナログ制御との比較
  サンプリング周期の選定
  D動作とサンプリング周期
  非定常時のディジタルPID制御
  リセット・ワインドアップを防止するには
  ベロシティ・フォームの出力ずれ(その1)
  ベロシティ・フォームの出力ずれ(その2)
  ノイズとフィルタ