2章
PCサーバの組み立て |
概要
PC
を組み立てるとなると、専門知識も必要そうですね。すごく難しいことのような印象もあります。しかし、実際に組み立ててみるとこれが意外と簡単で楽しい作業です。TRY! PC誌上では、PCサーバとしてPentium PROマシンを組み立てましたが、この章では新しくPentium IIマシンの組み立てを追加して、紹介していきます。□実際に組み立てたマシン構成
種類 |
型番 |
マザーボード |
Giga-Byte GA-686KX |
CPU |
Pentium II 266MHz ECC 付き |
メモリ |
EDO SIMM 32MB x4 |
SCSI/IF |
Adaptec AHA-2940AU |
HDD |
IBM 製Ultra SCSI (2.1GB) |
CD-ROM |
SCSI 24 倍速 |
ビデオ |
Matrox Mystique 220 |
NIC |
Intel Ether ExpressPRO100/B |
ケース |
TQ-700ATX |
キーボード |
109 型 |
マウス |
PS/2 |
FDD |
2 モードタイプ |
組み立て前のチェック
PC
を組み立てるのに必要な道具は、プラスのドライバーが一本あれば十分です。もちろん、さまざまな大きさや形のドライバーが揃っているに超したことはありません。ラジオペンチがあると、固いときに無理にねじ込んでしまいそうです。向きがあっていれば、そんなに固いはずがないので、ラジオペンチは不要でしょう。PC
ショップには、組み立てキットなるものも売っていますが、通常は必要ありません。ただし、HDDを2つ以上設置する場合などは、ケースに付属のネジでは足りなくなってしまいます。そんな場合は、ネジセット(インチネジ)だけ用意しておくといいかも知れません。1 PCパーツの確認
購入した
PCパーツは、在庫切れでもない限り、購入後2,3日で家に郵送されてくるはずです。もちろん、HDDなど壊れやすい部品は、郵送を頼まず、そのまま家に持ち帰った方が安心です。どちらにしても、まず最初に行いたいのが、すべてのパーツが間違いなく揃っているか、部品の個数確認です。組み立て用PCパーツには、親切なチェックリスト一覧は当然ありません。何から確認すればいいのか悩むところでしょう。そんな場合は、ケーブル類を中心にチェックしておきましょう。電源ケーブル、IDE用ケーブル、FDD用ケーブル、SCSIケーブルなどです。SCSIケーブルは、よく買い忘れる人が多いみたいなので、特に注意しましょう。一旦、組み立て初めてから、入っていない(もしくは買い忘れた)と気付くと、それは悲しいものです。
2 マニュアルに目を通す
PC
パーツには、バルク品でもない限り、必ずマニュアルが付属しているはずです。まず、はやる気持ちを静めて、マニュアル類に一通り目を通すようにしましょう。組み立ても2台目以上となると、取りあえず組み立て始めてしまう人が多いようです。どうもおかしいと思ってから、マニュアルを探すより、始めから見通しよく組み立てていきたいものです。どうしても、急ぐ人はマザーボードのマニュアルだけは目を通しておきましょう。注意: 困ったことに、ケースには、説明書やガイドがない場合が多いです。はじめて、組み立てたときは、本当に勘に頼るしかありません。(もしくは、詳しい組み立てガイドを手元に置いておく。) |
秋葉原で販売されているマザーボードは、ほとんど外国製なので、マニュアルは英語で書かれていることが多いです。(
ASUSなど一部のマザーボードは日本語に翻訳された解説書が付属することもあります。)説明書は、日本語で書いてあっても難しくてお手上げの可能性があるのに、英語で書いてあるなんてチンプンカンプンだ、と諦らめるのは少し待ってください。多くの場合は、イラストをふんだんに使って説明をしてあるので、何とかなるものです。連載時に組み立てた
Iwill製のマザーボード(P6NS)のマニュアルは、評判通りイラストや図、表が多く、さらに、Step1〜Step8という形で作業の流れもわかりやすくまとめてありました。今回、組み立てたGYGABYTE製のマニュアルは、あまり親切とは言えませんでした。これでは、はじめて組み立てPCに挑戦する人は苦労するだろうと感じたものです。ただし、手順を知っているのなら、ボード上の配置関係とジャンパーピンの設定などを確認するだけも十分です。3 静電気には御用心
パーツの梱包を開けてみると、例外なく
「WARNIG: STATIC INSENSIVE」 という文字が目につくはずです。静電気には弱いのでご注意してくださいという警告です。一般に、静電気は電圧が高いので、CPUやボード類などは一発で壊れてしまうようです。しかし、あまり静電気にビクビクしながら、組み立てるのも気疲れしてしまいます。もし静電気が心配なら、
PCケースの蓋を外し、分解するところから組み立てを始めましょう。PCのケースは、金属製だから、これに触れば体に溜まっていた静電気が取り除かれて、致命的な静電気は発生しないと言われているからです。しかし、この話しは信じていいのかどうか、怪しいところです。マザーボード上の取り付け
まず、マザーボート上の設定から行います。ここでの作業を簡単に言ってしまうと、マザーボード上に
CPUとメモリを取り付けて、ちょっとジャンパーピンを直すだけです。マザーボードのマニュアルを良く見ながらやりましょう。ところで、マザーボード上の設定も、Pentium時代(Socket7) 、Pentium PRO時代 (Socket8)、PentiumII時代(Slot1)と時代が新しくなるにつれ、設定すべきことが少なくなっています。冷却ファンの取り付け
150MHz
を超えるような高速なCPUには冷却を促進するために、CPUクーラーを取り付けなければなりません。表面温度は、やけどするほど熱くなるからです。CPUクーラーを付け忘れると、短期的にはCPUの熱暴走を招いたり、長期的にはCPU自体の寿命を縮めることになります。CPUクーラには、ヒートシンクと冷却ファンが一体になったタイプのものを使いましょう。Pentium II
には、専用の冷却ファンが最初から付属しているものと、そうでないものの2種類あるようです。(パッケージ品とバルクの違いか?) もし、冷却ファンが付属していないときは、別途CPUクーラーを手に入れて、あらかじめPentiumIIに取り付けなければなりません。今回組み立てに使用したGYGABYTE製マザーには、CPU冷却ファンが付属していました。 NOTE: Pentium やPentium PROの場合は、順番が異なってCPUをソケットに差したのち、冷却ファンを載せます。どちらにしても、冷却FANはちゃんと回転して、物理的に冷却さえできればいいので、そんなに気を使うところではないでしょう。
|
CPU
の取り付けPentium II
の取り付けは、正にファミコンのカセットを差し込む感覚です。(正式名称は、SECカートリッジと言うらしい。) ガチャンと音がするまで押し込みます。 Slot1タイプのマザーボードでは、Pentium IIがぐらつかないように、固定用の台を取り付けられるようになっています。私は、はじめて Pentium IIをみたときは、この怪しいカセット形状に感心しすぎて、固定台をつけ忘れました。電源を入れてから、なんかグラグラするね、と友達と不思議がっていました。さすがにそんなわけありません。Pentium PRO
用のCPU ソケットは、Socket8です。 Pentium PROのピン配置は、真ん中を境に密度が全く違うので、ソケットの形状にあわせて差し込みます。Pentium PROに関して言えば、差し込むというより、ただ置けばすんなりはまるので、後はレバーを降ろして固定するです。基本的に間違った方向に取り付けることができないので、親切この上ありません。ちなみに、PentiumやAMD K6で利用する Socket7も、Socket8とほとんど同じです。クロック周波数の調整
マザーボードは、最新の
440BX系は100/66MHz、それ以外の従来型のチップセットでは60MHzか66MHzのクロック周波数で作動しています。(非インテル系チップセットでは、一部に75MHzや83MHzといった66MHzをクロックアップさせた製品もあります。)どのようなマザーボードであれ、現在はマザーボードとCPUのクロック差が大きくなりすぎています。そこで、CPUとマザーボードのギャップをx倍速という形で埋めています。マザーボードは、どうやら出荷当時の最速
CPUをデフォルトにして出荷されることが多いようです。どちらにしても、購入したCPUとマザーボードの倍速モードが一致するか確認する必要があります。例えば、今回組み立てに利用したGA-686KX は、チップセットは440FXで、ボードのクロックは、66MHz固定のようです。対応関係は次のようになっています。
以下省略.出版されている内容とは少し異なります.Copyright 1998 Kuramitsu Kimio