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Internet Information Server

-- WWWサイト構築へ挑戦

 

概要

 この章では、今となっては、あまりにも有名になったWebサイトの立ち上げに挑戦してみます。インターネットサイトを提供しないにしても、Windows NTではWebサービスはオレーティングシステムと統合化が進んで、ますますベーシックなものになっています。Webサービスの設定自体は、DNSなどに比べてわかりやすく、目に見える結果が得られやすいので楽しいものでしょう。

WWWInternet Information Server

 新聞、テレビ、雑誌上でもよくhttp:// で始まるURLを目にしますね。インターネットの普及のおかげで、今更WWWとはどんなものか説明する必要もないと思います。ここでは、簡単にWWWサービスの始まりとそのしくみを紹介しておきます。

 WWWの始まりは、ヨーロッパにある核物理学の研究機関 CERN からです。CERNでは、インターネット上でリソースを共有しあうグループウエアを検討していました。これが、WWWの起源に成りました。WWWシステム自体は、非常に新しいしくみなのです。でも、WWWの発展とインターネットの普及はほとんど同期して急速に進行してきました。ただし、WWWシステムの5つの構成要素は、CERNの時代から同じ顔ぶれです。

  1. HTTP ? WWWシステム間の通信プロトコル
  2. HTML文章 ? WWW上のハイパーテキスト形式の文章
  3. URL ? インターネット上の資源の位置をあらわすロケーター
  4. Web ブラウザ ? HTML文章を表示するクライアントソフトウェア
  5. Web サーバ ? HTML文章を提供するサーバソフトウェア

 HTML文章を閲覧するためのソフトウエアは有名で、古くは NCSA Mosaic、現在は Netscape Navigator Internet Explorer などが代表例です。思い出せば、3年程前はWWWWebなんてシャレた言葉も使われず、「モザイク」って呼んでいたくらいです。

 Webブラウザの相棒であるWebサーバは、どのような変遷してきたのでしょう。古参としては、Webの生まれ故郷 CERN httpdMosaicの開発元のNCSA HTTPd が両横綱でした。その後、インターネットビジネスを積極的に展開したNetscape社は、商用のWebサーバを提供はじめます。これが、Netscape Commerce Server で、SSL(Secure Socket Layer)と呼ばれる暗号通信の機能をサポートして、安全にクレジットカード番号などを送信できるように成りました。

 サーバ機のプラットホームがUNIXからNTに移行にし始めると、NT向けにも様々なWebサーバが提供され始めました。当然、Microsoft社も自前のWebサーバを開発しました。これがInternet Information Server、通称IISです。IISは、Webサーバだけでなく、FTPなど様々なインターネットサービスを統合的に運用できるパッケージに成っています。

IIS4.0の導入

 IIS2.0は、Windows NT Server 4.0に標準で付属しています。NTインストール時に同時にIISもインストールできるので、一緒にインストールしてしまう人も多いでしょう。また、ServicePack 3を追加することによって、IISのバージョンも3.0になります。IIS3.0は、IIS2.0に比べ、セキュリティが強化されているだけでなく、さらにActive Server Pageなどの新機能も追加されています。

 また、19984月に発表されたWindows NT Option Packを追加すると、IISは、バージョン4.0になります。IIS4.0には、次の機能が追加されました。

 また、IISマネージャ事態も大幅に変更され、IE4.0上から管理できるようになりました。( old.pngnew.png)

 この本では、IIS4.0を用いてサービスを実現しようと思います。IIS4.0は、Option Packに含まれているので、Option Packを入手する必要があります。Option Packの入手に関する情報は、次のMicrosoft社のホームページから得られます。

http://www.microsoft.com/japan/products/ntserver/option_pack/

 ここから先は、Option PackCD-ROMからのインストールを紹介します。既に、IIS3.0がインストール済みの場合を想定しています。

Option Packの導入

 Option Packには、Internet Information Server 4.0以外にもいくつかのサービスが追加されています。この本では、詳しく触れませんが、SOHO環境には有用なものもあるので、必要に応じてインストールしておきましょう。

  1. Option Packのセットアップを起動する。
  2. コンポーネントの選択 IIS以外にも、Certificate ServerIndex Server など、さまざまなサービスがあります。必要に応じて追加しましょう。
  3. NOTE: 本書では、IIS4,0FrontPage Server Extensionsに触れるだけです。

  4. IISのサブコンポーネントの選択 IIS4.0には、WWW以外にもFTPSMTP(インターネットメールサービス)NNTP(Usenet ニュースシステム)などのコンポーネントが追加できます。(gopher はなくなったようですね。

NOTE: 8章で、IMSメールサービスをインストールするため、ややこしくならないように、ここでSMTPサービスはインストールしないほうがいいでしょう。

 この後は、選択したコンポーネントに応じて、ちょっとした初期設定を指示していきます。そして、実際のインストールが始まり、NTサーバを再起動すれば、利用可能になります。

インターネットサービスマネージャ

 IISサービスの制御は、インターネットサービスマネージャ(IISマネージャ)を通して行います。取りあえず、立ち上げてみましょう。

[スタート] --> [プログラム(P)]

--> [Windows NT4.0 Option Pack]

--> [Internet Information Server Service]

              --> [インターネット サービス マネージャ (HTML)]

 

NOTE:

サービスマネージャには、IE4.0上から管理できるHTML版と専用アプリケーション版の2種類があります。ここでは、HTML版を紹介します。

 

 

初期設定

インターネットサービスマネージャで特別な設定をしなくても、WWWサービスは利用できます。IIS4.0の機能の紹介を兼ねて、インターネットサービスマネージャを使ってみましょう。

 


以下省略.出版されている内容とは少し異なります.Copyright 1998 Kuramitsu Kimio


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