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11

Bluetooth

RN-42XVP

1

節 入手しやすい

Bluetooth

モジュール

RN-42XVP

 ここで使用するBluetoothモジュールRN-42XVP
は,入手しやすく,また国内の電波法に関する認証を
取得済みなので,よく使われる定番品です.
 もともと,通信方式としてのBluetoothはスマート
フォンなどに標準搭載されており,価格や生産台数に
強みがあり,アプリケーションも充実しています.し
かし,その一方で,モジュール製品の供給先が大手企
業に集中してしまい,少量での入手性が難しいという
課題がありました.
 筆者は2013年5月にBluetoothモジュールを選定
するための調査を行いました.機能の比較において
は,対応プロファイル数の少ないRN-42XVPの優位
性は低かったものの,国内の技適や認証の取得済みの
Bluetoothモジュールの中ではもっとも安価だったこ
とや,少量でも入手が可能であったこと,XBeeと互
換性のあるコネクタを装備していることなどから,本
Bluetoothモジュールを選定しました.しかし,当時
の入手手段としては,米Microchip Technology社か
ら直接購入するくらいしかなく,送料や輸送期間など
を考えると手軽とは言えませんでした.
 その後,秋月電子通商がRN-42XVPの取り扱いを

開始し,また同社から互換品のAE-RN-42-XB(参考価
格2,000円)が発売されるなど,今ではBluetoothモ
ジュールの定番品と呼ばれるくらいになりました.
 対応プロファイル数が少ないとはいえ,キーボード
やマウス,ゲーム用コントローラなどで用いられてい
るHID(ヒューマン・インターフェース・デバイス)
プロファイルを搭載しているのも特徴の一つです.本
書でもHIDプロファイルを利用し,Arduinoから
Raspberry Piのキーボード操作(カーソル操作)を行
うサンプルを紹介します.

2

節 

Raspberry Pi

に接続する

Bluetooth USB

アダプタ

 ここではRaspberry PiにBluetooth USBアダプタ
を接続し,RN-42XVPとの間でBluetooth通信を行い
ます.最新のRaspberry Pi 3 Model Bを使用するこ
とも可能ですが,執筆時点では動作確認ができていま
せん.動作が不安定な場合は,Raspberry Pi 3のWi-Fi
を切って,有線LANで使用してください.Bluetooth
とWi-Fiは同じ周波数を使うので,電波干渉が発生し,
通信が安定しなくなる場合があります.ここではPCI

(プラネックスコミュニケーションズ)製BT-Micro4
写真11-2)を使用します.必要な機材を表11-1に示

します.
 なお,この製品に関わらずCSR(Cambridge Silicon 

Radio)社のチップが使われているものであれば,動作
すると思います.ただし,Bluetooth 2.0以前の古い

写真11-1 BluetoothモジュールRN-42XVP

写真11-2 PCI製Bluetooth USBアダプタBT-Micro4