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Bluetooth 4.0
BLE
第
1
節
BLE
(
Bluetooth Low Energy
)について
ここでは各社から販売されているBLEタグ(写真
13-1)を用いてBLEタグのビーコンを受信する実験を
行います.BLEはBluetooth 4.0でサポートされた
Bluetooth Low Energyと呼ばれるプロトコルです.
Bluetooth Smartの名称で普及を進める動きが高まり
つつあります.
執筆時点では,Bluetoothと言えば従来のクラシッ
クBluetoothを示します.Bluetooth Low Energyや
Bluetooth SmartにもBluetoothの名称が付きますが,
クラシックBluetoothとの通信を行うことはできませ
ん.また,今のところBLEを使ったアプリケーショ
ンも普及しているとは言い難い段階です.
しかし,すでに多くのスマートフォンやBluetooth
USBモジュールにBluetooth 4.0対応のICが実装さ
れています.これらのICには,従来のクラシック
BluetoothとBLEの両方の通信機能がデュアル・モー
ドで搭載されています.もちろん,本書で使用するプ
ラネックスコミュニケーションズ製のBluetooth USB
アダプタBT-Micro 4にもBLE機能が搭載されてい
ます.BLEそのものの普及はこれからですが,すで
にBLEレディ機器が普及している点に強みがあり,
今後,急速に普及が進む可能性があります.
なお,Bluetooth Smart機器は,BLEプロトコルの
みをサポートしたシングル・モード品です.デュア
ル・モードではないため,従来のクラシックBluetooth
との通信は行えません.
それでは,BLEタグの動作確認を行ってみましょ
う.Raspberry Pi側の構成は,これまでのクラシッ
クBluetoothの実験のときと同じです.Bluetooth
USBアダプタBT-Micro 4をUSBポートに接続しま
す.また,第11章第3節でインストールしたBluetooth
用プロトコル・スタックBlueZのツールhcitoolを使
用します.
接続先の機器はBLEタグです.この間のワイヤレ
ス通信の方式が,従来のクラシックBluetooth方式と
は異なるBLE方式になります(図13-1).
機器の探索方法は,従来のクラシックBluetoothと
は異なります.BLE機器を探索する場合は,hcitoolの
lescan(LEスキャン)命令を使用します.LXTerminal
から以下のコマンドを入力してください.
$ sudo﹈hcitool﹈lescan﹈--pa﹈--du⏎
電源の入ったBLEタグのMACアドレスが図13-2
のように表示されれば,正しく動作していることがわ
かります(3個のBLEタグを使用した例).ただし,
電源を入れてから時間が経つと送信頻度が低下しま
す.また,LBT-VRU01の場合は約5分後に自動的に
電源が切れて,ビーコンを送信しなくなります.
写真13-1 各社から販売されているBLEタグ
図13-1
BLEタグを使った実験
Raspberry Pi
BLE方式
BLEタグ
接続
Bluetooth
USBアダプタ