Last Update 2022/05/06

制御ICのパフォーマンスを引き出すテクニック
電源回路設計実例集

Bob Dobkin/Jim Williams 編著
リニアテクノロジー 監訳
高橋 徹/細田 梨恵/大塚 康二/堀米 毅 訳
B5判 432ページ
定価6,160円(税込)
JAN9784789842884
2013年11月1日発行
好評発売中!
電源回路設計実例集

 本書は,米国Linear Technology社のアプリケーション・ノートを抜粋・編集して出版された“Analog Circuit Design:A Tutorial Guide to Applications and Solutions”のPart1 Power Managementを翻訳したものです(Part2 Data Conversion, Signal Conditioning and High Frequency/RFは未掲載).編集ならびに多くの記事の執筆を,伝説のアナログ・グルと呼ばれた故ジム・ウィリアムス氏が担当しています.Linear Technology社のデバイスを例に,各種の電源回路を作る方法がわかりやすく書かれています.アナログ技術の専門家のみならず,電源回路の基本を知りたいと考えている入門者にもお勧めのできる内容です.

目 次


第1部 パワー・マネジメント・チュートリアル

第1章 セラミック入力コンデンサによって生じる過電圧トランジェント

自分の責任でACアダプタを差し込む
テスト回路の作成
スイッチのターン・オン
携帯用アプリケーションのテスト
異なった入力素子を使った場合の入力電圧トランジェント
入力コンデンサの最適化
まとめ

第2章 リニア・レギュレータの出力に残るスイッチング・レギュレータのノイズを最小化
厄介なスパイクを除去する

スイッチング・レギュレータの出力のAC成分
リプルとスパイクの除去
リプル/スパイクのシミュレータ
リニア・レギュレータの高周波除去の評価/最適化
Appendix A フェライト・ビーズに関して
Appendix B 高周波フィルタとしてのインダクタ
Appendix C ミリ・ボルト未満の広帯域信号を損なわないプロービング手法

第3章 ノートPCおよびパームトップPCの電源回路

高効率の5V/3.3V降圧型レギュレータをドライブするLT1432
BiCMOSスイッチング・レギュレータ・ファミリによる最も効率の高い降圧型レギュレータ
高効率のリニア電源
デュアル出力,ハイサイドMOSFETドライバによる電源スイッチ
LT1121シャットダウン機能付きマイクロパワー150mAレギュレータ
冷陰極蛍光管の駆動回路
バッテリ充電回路
パームトップPCの電源回路

第4章 2線式仮想リモート・センシングを応用した電圧レギュレータ
伝送路の抵抗を推定してリモート・センシングと同じ効果を得る

仮想リモート・センシング
VRSの応用例
Appendix A LT4180のVRS動作について
Appendix B LT4180を使ったVRSの設計方法


第2部 スイッチング・レギュレータの設計

第5章 LT1070デザイン・マニュアル

補足
LT1070の動作
ピン機能
基本的なスイッチング・レギュレータ・トポロジー
アプリケーション回路
降圧コンバータ
アプリケーション回路
■昇圧モード(出力電圧が入力電圧より高い)
■負降圧コンバータ
■負から正の昇降圧コンバータ
■正降圧コンバータ
■フライバック・コンバータ
■完全に絶縁されたコンバータ
■正電流ブースト降圧コンバータ
■負電流ブースト降圧コンバータ
■負入力/負出力フライバック・コンバータ
■正から負へのフライバック・コンバータ
■電圧ブースト昇圧コンバータ
■負昇圧コンバータ
■正から負への昇降圧コンバータ
■電流ブースト昇圧コンバータ
周波数補償
外部電流制限
外付けトランジスタのドライブ
整流ダイオードの出力
入力フィルタ
効率計算
出力フィルタ
入力および出力コンデンサ
インダクタおよびトランスの基礎
放熱情報
トラブル・シューティングのヒント
低調波発振
データシート

第6章 詩人のためのスイッチング・レギュレータ
心配無用のやさしい手引き

基本的なフライバック・レギュレータ
48Vから5Vを作る通信装置用フライバック・レギュレータ
絶縁型の通信装置用フライバック・レギュレータ
100Wオフライン・スイッチング・レギュレータ
スイッチングによるモータの回転速度の制御
スイッチング・モードで駆動されるペルチェ素子による0℃基準
Appendix A LT1070の生理学
Appendix B 周波数補償
Appendix C スイッチング・レギュレータ設計のためのチェック・リスト
Appendix D スイッチング・レギュレータ設計における革新

第7章 ステップダウン型スイッチング・レギュレータ

基本的なステップダウン回路
実用的なステップダウン型スイッチング・レギュレータ
二つの出力を持つステップダウン・レギュレータ
負電圧出力レギュレータ
電流容量を大きくしたステップダウン・レギュレータ
固定電圧型ポスト・レギュレータ
電圧可変型ポスト・レギュレータ
低消費電流レギュレータ
ワイド・レンジの高出力,高電圧レギュレータ
出力を安定化した正弦波出力DC-ACコンバータ
Appendix A LT1074の生理学
Appendix B スイッチング・レギュレータ設計のための全般的な検討
Appendix C 電流測定のテクニックと装置
Appendix D スイッチング・レギュレータの効率の最適化
Appendix E 半波正弦波の参照波形発振器
Appendix F 磁性部品の問題

第8章 出力ノイズが100μVのモノリシック・スイッチング・レギュレータ
静寂は満足する動作には最善の前ぶれ...

スイッチング・レギュレータのノイズ
ノイズレス・スイッチングによる方法
実用的な低ノイズ・モノリシック・レギュレータ
出力ノイズを測定する
システムにおけるノイズの測定
変化率がノイズと効率に及ぼす影響
負電圧出力レギュレータ
フローティング出力レギュレータ
フローティング正負電圧出力コンバータ
バッテリ駆動回路
性能の向上
低待機時電流レギュレータ
高入力電圧レギュレータ
24V〜5Vを出力する低ノイズ・レギュレータ
5V〜12V出力の10W低ノイズ・レギュレータ
7500V耐圧の絶縁低ノイズ電源
Appendix A 低ノイズDC-DCコンバータの歴史
Appendix B いわゆるノイズを規定し,測定する
Appendix C 低レベル広帯域信号を正確に測定するためのプロービングと接続のテクニック
Appendix D 実験基板の作成とレイアウトの考察
Appendix E リニア・レギュレータの選択基準
Appendix F 磁性部品の検討
Appendix G なぜ,電圧と電流のスルーレートに制限をかけるのか
Appendix H より良い低雑音性能を目指すためのヒント
Appendix I ノイズを防ぐための磁性部品の知識と一般常識
Appendix J EMIの輻射量を測定する
一般的なdi/dtに起因するEMIの問題
Appendix K システム自体によるノイズの“測定”

第9章 高集積DC-DC μModuleレギュレータ・システムを使った,複雑なFPGAベースのシステムへの給電
(パート1)回路と電気的性能

革新的なDC-DC設計
DC-DC μModuleレギュレータ―LGAパッケージの全てを備えたシステム
48Aを供給する並列接続した4個のDC-DC μModuleレギュレータ
起動,ソフト・スタートおよび電流分担

第10章 高集積DC-DC μModuleレギュレータ・システムを使った,複雑なFPGAベースのシステムへの給電
(パート2)熱性能とレイアウト

4個のDC-DC μModuleレギュレータを並列接続して60Wを供給
熱性能
コピー&ペーストによる簡単なレイアウト

第11章 ダイオードのターン・オン時間によって誘起されるスイッチング・レギュレータの動作不良
どれほど多くの人がこんなに少ない端子にこれほど悩まされたことか

ダイオードのターン・オン時間の見方
詳細な測定方法
ダイオードのテストと結果の解釈
Appendix A 帯域幅はどれだけあれば十分か?
Appendix B 万人のための立ち上がり時間がサブナノ秒のパルス発生器
Appendix C Z0プローブについて
Appendix D 立ち上がり時間の測定の完全性の検証
Appendix E 接続箇所,ケーブル,アダプタ,減衰器,プローブおよびピコ秒
Appendix F 別の実現方法


第3部 リニア・レギュレータの設計

第12章 低ノイズ/低ドロップアウト・レギュレータの性能検証
低ノイズで数アンペアを供給

ノイズとノイズ試験
レギュレータ・ノイズの測定
Appendix A 低ノイズLDOの構造
Appendix B コンデンサ選択についての考察
Appendix C 実効値電圧計の理解と選択
Appendix D 低ノイズLDOの選択に対する実際的な考慮


第4部 高電圧・大電流アプリケーション

第13章 昇圧トランスの設計における寄生容量の影響

Appendix A 寄生トランジスタ

第14章 大電流アプリケーション用の高効率/高密度なPolyPhaseコンバータ

PolyPhaseテクニックは回路性能にどのように影響するか?
電流分担
設計の検討
設計事例──100A PolyPhase電源
Appendix A 2相回路の出力リプル電流の計算


第5部 レーザおよび照明デバイスへの電力の供給

第15章 超小型LCDバックライト・インバータ
しなやかな捕獲者が高電圧を適当な値にカットする

磁気CCFLトランスの限界と問題
圧電トランス
PZT制御回路の開発
さらなる考察と利点
ディスプレイの寄生容量とその効果
Appendix A 圧電トランス「良い振動」
Appendix B 圧電技術の初歩
Appendix C 本当に興味深いフィードバック・ループ

第16章 光ファイバ・レーザ用熱電クーラー温度調節器
気難しいレーザの環境を整える

温度調節器の必要条件
温度調節器の詳細
熱ループの考察
温度制御ループの最適化
温度の安定性の実証
反射ノイズの性能
Appendix A 熱電クーラーによる制御ループの実際的な考察

第17章 光ファイバ・レーザの電流源
おもしろい電流事例の概要

光ファイバ・レーザ用電流源の設計基準
性能問題の詳細な検討
レーザ保護問題の詳細な議論
基本的な電流源
高効率で基本的な電流源
カソードを接地した電流源
単一電源でカソードを接地した電流源
完全に保護された自己イネーブルのカソード接地電流源
カソードを接地した2.5A電流源
0.001%のノイズのカソードを接地した2A電流源
0.0025%のノイズでアノード接地の250mA電流源
低ノイズな完全フローティング出力の電流源
電源にアノードがある電流源
Appendix A レーザ負荷のシミュレーション
Appendix B ノイズに関するスイッチング・レギュレータの検証
Appendix C 電流プローブとノイズ測定の注意点

第18章 アバランシェ・フォト・ダイオード用バイアス電圧/電流検出回路
APD用バイアスの供給と測定

電流モニタ回路
APD用バイアス電源回路
まとめ
Appendix A 誤差を小さくしたフィードバック信号抽出の技術
Appendix B プリアンプとオシロスコープの選択
Appendix C 低レベル/広帯域信号を正確に計測するためのプロービングと接続の技術
Appendix D 真の0V出力が可能な単一電源アンプ
Appendix E APDの保護回路


第6部 自動車および産業機器用電源の設計

第19章 バッテリ・スタックの開発における電圧の測定
それほど単純ではない問題の簡単な解決法

バッテリ・スタックの問題
トランスによるサンプリング電圧計
回路動作の詳細
マルチセル・バージョン
自動制御と校正
ファームウェアの詳細
測定の詳細
さらにチャネルを加える
Appendix A ゴッホではないが耳をたくさん切ってみる
Appendix B フローティング出力,可変バッテリ・シミュレータ
Appendix C マイクロコントローラのコード・リスト