Last Update 2022/05/10

高効率とリニアリティを両立するGHz帯増幅技術
ワイヤレス通信用RF電力増幅器の設計

Steve C.Cripps 著
草野 忠四郎 訳
末次 正/太郎丸 真 監訳
B5判 464ページ
CD-ROM 1枚付き
定価9,680円(税込)
JAN9784789846387
2012年12月1日発行
[品切れ重版未定2022.5.10] ワイヤレス通信用RF電力増幅器の設計
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ重版未定となりました.

 無線通信には送信機があり必ずRF電力増幅器(PA)が使われています.PA設計の基礎となる原理は,数十mWから100W以上までほぼ同じです.しかし,LTE,WiFiなど,ディジタル無線通信の革新が進むなかで,従来とは異なる複雑なトレードオフ(特に効率と線形性)がもたらされ,旧来のPA設計における概念の見直しが迫られています.
 本書の特長は,この伝統的な概念の最新状況への適合を,原理原則に基づく「アプリオリ(a priori)的」設計により論じているところにあります.線形PAの基礎,ロードプル理論,高効率化,非線形効果とその対策,その他PAアーキテクチャやPA用電源などを,原理に基づきていねいに解説しています.
 本書は,「RF Power Amplifiers for Wireless Communications, Second Edition」(Artech House社発行)を翻訳したものです.

目次


第1章 序論
1.1 はじめに
1.2 線形RF増幅器の理論
1.3 弱い非線形効果:べき級数およびボルテラ級数
1.4 強い非線形効果
1.5 CADのための非線形デバイス・モデル
1.6 共役整合
1.7 RFパワー・デバイス技術

第2章 線形電力増幅器の設計
2.1 A級増幅器と線形増幅器
2.2 利得整合と電力整合
2.3 ロードプル測定の基礎
2.4 負荷線の理論
2.5 パッケージの効果とロードプル理論の改良
2.6 CADプログラムによるロードプル等高線の作図
2.7 A級増幅器の設計例
2.8 まとめ

第3章 従来の高効率増幅器の動作
3.1 はじめに
3.2 導通角の低減‐波形解析
3.3 出力終端の方法
3.4 狭い導通角動作モードの解析‐FETモデル
3.5 狭い導通角モードの解析‐BJTモデル
3.6 I-V特性における“ニー電圧”の効果
3.7 入力ドライブの必要条件
3.8 結論

第4章 GHz周波数でのAB級PA動作
4.1 はじめに
4.2 容量性高調波終端を用いたAB級‐J級PA
4.3 非線形デバイス特性
4.4 RFパワー・デバイスにおける非線形容量の効果
4.5 結論

第5章 線形RF電力増幅器の実用的な設計
5.1 ロー・パス型整合回路
5.2 伝送線路による整合
5.3 高調波成分の短絡
5.4 一般的なMESFETのモデル化
5.5 2W,850MHz,B級増幅器の設計例
5.6 π型構成の電力整合回路
5.7 PA設計のためのπ型回路解析
5.8 J級の設計例
5.9 HBTの設計例
5.10 結論

第6章 オーバードライブPAとF級動作モード
6.1 はじめに
6.2 A級増幅器のオーバードライブ
6.3 AB級増幅器のオーバードライブ
6.4 F級:概要と理論
6.5 実用的なF級動作
6.6 F級モードに対するクリッピング・モデル‐FD級
6.7 PA_Waves
6.8 F級シミュレーション
6.9 結論

第7章 RF用途のスイッチング・モード・アンプ
7.1 はじめに
7.2 簡単なスイッチング増幅器
7.3 チューニングされたスイッチング増幅器
7.4 D級スイッチング増幅器
7.5 E級動作‐はじめに
7.6 E級‐簡単化した解析
7.7 E級‐設計例
7.8 結論

第8章 GHz周波数でのスイッチングPA動作
8.1 はじめに
8.2 明確なことの見落とし:100%の壁を超えて
8.3 波形エンジニアリング
8.4 PA_Waves
8.5 具体的な設計例とシミュレーション
8.6 結論

第9章 RF電力増幅器における非線形効果
9.1 はじめに
9.2 2キャリアべき級数解析
9.3 2キャリア・エンベロープ信号の解析
9.4 変化するPARを持つエンベロープ信号解析
9.5 AM‐PM効果
9.6 PAメモリ効果
9.7 ディジタル変調システム
9.8 30W LDMOS試験増幅器の測定
9.9 結論

第10章 高効率化技術
10.1 はじめに
10.2 高効率化
10.3 ドハーティ増幅器
10.4 ドハーティ増幅器の実現
10.5 アウトフェージング増幅技術
10.6 エンベロープ信号成分の除去と再生技術(EER)
10.7 エンベロープ・トラッキング技術
10.8 EER,ET用の電力変換器
10.9 パルス幅変調技術(PWM)
10.10 その他の高効率化技術
10.11 高効率化技術のケーススタディ
10.12 結論

第11章 電力増幅器のバイアス回路
11.1 はじめに
11.2 RFパワー・トランジスタの安定性
11.3 バイアス電源の変調効果
11.4 バイアス回路設計
11.5 バイアス挿入回路
11.6 主要電源の課題
11.7 バイアス制御回路
11.8 結論

第12章 ロードプル技術
12.1 基本波ロードプルのチューナ設計
12.2 高調波ロードプル技術
12.3 アクティブ高調波ロードプル
12.4 変形版,結果および結論

第13章 電力増幅器アーキテクチャ
13.1 はじめに
13.2 プッシュプル増幅器
13.3 バランス型増幅器
13.4 電力合成技術
13.5 多段PAの設計
13.6 結論

第14章 電力増幅器の線形化技術
14.1 はじめに
14.2 PA線形化の概論
14.3 プリディストーション技術
14.4 フィードフォワード技術
14.5 フィードバック技術
14.6 その他の線形化技術
14.7 結論

付録A PA_Waves
付録B Excel IQスプレッドシートを使用したスペクトル解析