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大きな流れ 273
で,じっくり理解してください.すでに論理設計を十
分知り尽くしている方は,読み飛ばしても構いません.
論理設計を始める前に
大きな流れ
●第1歩は入出力インターフェースと内部機能
仕様の決定
まずは論理設計とはなんぞや,から説明します.
図1にそのイメージを示します.実現したいディ
ジタル機能について,まず,入出力インターフェース
を明確に定義します.また,内部機能仕様を明確に矛
盾なく定義します.
論理機能モジュールの例を表1に示します.ロジ
カルに矛盾のない入出力インターフェースや内部仕様
を,早い段階でしっかり規定することがとても重要
で,ここの失敗による手戻りは全体の設計工数に多大
な悪影響を及ぼします.
●仕様が決まった後の設計の流れ
次に,内部ハードウェアの実現方式(アルゴリズム)
を規定します.ここが最も頭を使うところで,機能面,
タイミング面,経済面(ハードウェア量,消費電力)を
見渡しながら,最適な方式を決定します.
●はじめに
自分の思い描くシステムを構築するには,ハード
ウェアとソフトウェアの知識と経験が必要です.
ソフトウェアについては入手しやすいマイコン評価
基板があるので触れるチャンスも多く,多くの方が経
験を積みながら腕を上げていると思います.
一方,ハードウェアの製作は,一般的には壁が高い
です.アナログとデジタルが混在したミクスト・シグ
ナル型のシステムの場合,アナログ回路なら多くの
ケースは比較的小規模であり,OPアンプやA−D変
換器など市販のICを組み合わせて実現できる範囲に
あるでしょう.
ディジタル回路(論理回路)側は,汎用マイコンで済
む範囲なら簡単ですが,特殊で高性能かつ高機能な論
理回路が必要になるケースだと一般的に規模が大きく
なります.これをTTLなどの標準ロジックICをた
くさん組み合わせて大量の配線をする職人技で実現す
るのは,今の世の中では現実的ではありません.
MAX 10は論理設計の経験を積む素晴らしいプラッ
トフォームです.手配線は要りません.RTLコーディ
ングでディジタル回路が完成します.このFPGAを
使って思う存分論理設計して,現実に動作するシステ
ム開発を数多く経験して腕をメキメキ上げていきま
しょう.
そのためには,何はともあれ論理設計の基礎につい
て学ぶ必要があります.本稿では必要最小限ではあり
ますが,論理設計のキモになるところを解説します.
本書で必要になる知識はすべて網羅していきますの
第4部 論理設計入門
第
16
章
論理設計を知り,味わい,そして楽しむ
論理設計入門
※ 本稿は,『ARM PSoCで作るMyスペシャル・マイコン(開発編)』
(2014年1月,CQ出版社)の第19章「論理設計入門」の内容に大幅
加筆したものです.
図1 論理設計とは