GCCのインストール&使い方

 ここではMIPS用のgccのインストールおよび使い方について解説します。

●gccのインストール
 まず、MIPS用gccのアーカイブファイルを、Cygwinの/usr/localにコピーします。デフォルトの設定でCygwinをインストールした場合は、C:\Cygwin というディレクトリが作成されているので、実際にコピーする先は、C:\Cygwin\usr\local\ となります。Windows上から、通常の手順でアーカイブファイルをコピーしてかまいません。

[図1] アーカイブファイルをCygwinの/usr/localにコピー
tarファイルのコピー

 次にCygwinを起動します。スタートメニューから「プログラム」→「Cygwin」→「Cygwin Bash Shell」を起動するか、図2に示すデスクトップに作成したショートカットでCygwinを起動してください。

[図2] Cygwin起動ショートカットアイコン
Cygwinアイコン

[図3] Cygwinの起動
Cygwinの起動

 Cygwinが起動したら、先ほどアーカイブファイルをコピーしたディレクトリに移動します。
  $ cd /usr/local[リターン]
Cygwinをインストールしたディレクトリ(C:\Cygwin\)がルートに相当するので、Cygwinのコマンドシェルで指定する絶対PATHには、“Cygwin”を指定する必要はありません。またPATHの区切りは'/'で指定します。
 そしてコピーしたアーカイブファイルを解凍します。MIPS用gccのアーカイブファイルは mips-tools.tar.gzです。次のようにして解凍してください。
  $ tar zxvf mips-tools.tar.gz[リターン]

[図4] MIPS用gccの解凍
SH gcc解凍


 アーカイブファイルの解凍作業が終われば、gccのインストールは終了です。


●gccの使い方
 まずはCygwinを起動します。スタートメニューから「プログラム」→「Cygwin」→「Cygwin Bash Shell」を起動するか、図2に示すデスクトップに作成したショートカットでCygwinを起動してください。
 このままではMIPS用のgccにPATHが通っていないので、次のコマンドでPATHを通しておきます。
  $ export PATH=/usr/local/mips-tools/bin:$PATH[リターン]

 各サンプルプログラムは、各ユーザのhomeディレクトリなどにコピーしてください。図5の例では、Windowsのログインユーザ名がInterなので、C:\Cygwin\home\Inter がhomeディレクトリになります。ここにサンプルプログラムをコピーします。

[図5] サンプルプログラムのコピー先
サンプルプログラムのコピー先

 各サンプルプログラムにはMakefileも添付しているので、それぞれのサンプルプログラムを収録したディレクトリに移動して、
  $ make[リターン] を実行すれば、コンパイルが始まります。通常はタイムスタンプをチェックして変更のあったソースファイルについてのみコンパイルが行われますが、全体をはじめからコンパイルしたい場合は、
  $ make clean[リターン] として、.oファイルなどをいったん削除してからmakeを実行してください。

[図6] gccによるコンパイルのようす
コンパイルのようす

 これで、このフォルダにモトローラS形式のファイル uart_sample.srec というファイルが生成されます。これをu-bootのコマンドラインにドラッグ&ドロップすることでプログラムをダウンロードできます。


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