台湾で仕事をするには,やはり台湾の考え方を知る必要はあります.同化するとか,批判するのではなく,知ることが重要です.台湾の学校教育では以前は,「すべて日本人が悪い」という反日教育がなされていました.この教育の実情は,北朝鮮だけでなく韓国や中国でもまったく同じで,中学や高校の教科書を見ると,この教育だけを信じて育った人達の中に入ると,日本人は財産どころか命も危ないだろうな,と感じることがあります.
いま台湾では1997年に「認識台湾」という教科書を作り,日本植民統治時代を含めた正確な台湾の歴史を教えようということになっています.台湾では賛否両論があるようですが,この教科書には,日治時代に得た三つのよい点,というものが記載されています.それは,「時間厳守」,「遵法」,「近代的衛生」の概念だそうです.すなわち,アジア的時間が流れる社会に,植民地統治に必要な要件を日本人が持ち込んだのです.しかし,意識はなかなか変わらず,今でも日本から進出した企業と現地の従業員や外注企業との間で摩擦が起きるのです.
筆者も台湾のある出版社から本を買おうと思い,その会社のWebサイトで購入を申し込んだところ,1か月経っても2か月経っても,なしのつぶてでした.そこでE-mailを送ったのですが,やはり返信がないので,直接電話したところ,「そのような申し込みは受け付けていない」,「それの担当者は辞めてしまったのでわからない」という木で鼻を括ったような返事を受けました.購入申し込みをしたときには,サーバから確認のE-mailが送られてきたので,信用してしまったのが甘かったのです.
ノマドの人に言わせると,「『ああ,国外か,めんどうだな』ということで忘れ去られたのでしょう.よくあることです」ということでした.この書籍はノマドが運営している台北ノマド商店に輸入代行を頼んで,無事入手しました.
国外で仕事をするには,ことばではなく仕事についての姿勢だ,とノマドの人は教えてくれましたが,技術関係ではやはり英語が大切であると考えます.技術用語をカタカナで書いたり発音しても,台湾では通じません,もちろん日本以外の国でも当然,通じません.
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