GCCをクロスコンパイラとして使用するときに指定するオプションです.GCCのインストールの際にコンフィグレーションを行います.その際,複数のGCCをインストールすることが可能です.
また,古いソースをコンパイルしたい場合に,それを正常にコンパイルできるGCCをインストールしてバージョン指定でコンパイルすることも,オプションの指定で可能です.
● -b machine
引き数machineは,コンパイルのターゲットマシンを指定します.
GCCをクロスコンパイラとしてインストールした場合に役立ちます.machineに指定する値は,クロスコンパイラとしてGCCのコンフィグレーションを行ったときに指定したマシンタイプと同一です.
たとえば,System Vを実行する80386用にコンパイルすることを意図して,クロスコンパイラのコンフィグレーションがconfigure i386vを指定して行われたのであれば,そのクロスコンパイラを実行する際には,-b i386vを指定することになります.-bを指定しないと,使っているマシンと同一タイプのマシン用にコンパイルするということになります.
● -V version
実行すべきGCCのバージョンを指定します.これは,異なるバージョンのGCCが複数インストールされている場合に役立ちます.たとえば,versionに2.0を指定すると,バージョン2.0のGCCを実行することになります.-Vが指定されない場合のデフォルトは,最後にインストールされたGCCのバージョンです.
また,GCCは重要なことを制御します.それは,デフォルトのバージョンとターゲットマシンです.異なるターゲットやバージョンのためにコンパイルされた異なるGCCを,名前を変えてインストールすることも可能です.
たとえば,バージョン2.0用のGCCがgcc2という名前になっていて,バージョン2.95用のものがgcc295という名前でインストールされているのであれば,コマンドgcc295を実行すればバージョン2.95が使われることになり,gcc2を実行すればデフォルトで2.0が使われることになります.
しかし,どちらのコマンドを使った場合でも,-Vオプションによってどちらのバージョンでも指定することができます.
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