フジワラヒロタツの現場検証(71)

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マイブーム
 さすがにずっとこの分野に関わっていると,やれ設計だ,やれ現調だ,やれ火消しだ(!?)と,同じようなことの繰り返しにいささか倦んでくるものです.

 この傾向というものは,ここ数年来,密やかに通奏低音のごとく耳の奥底に響いていたのですが,多忙な生活が,ある意味気を逸らしていてもくれたようで,表面上は平穏に(?)せわしない日々を送っておりました.それがこの頃,どうもさまざまな疲れが噴出してきたようで,すっかり精神的に参ってしまったなあと,声に出してみると,そんなに参ったふうではないものの,やはりあまり元気ともいい難いのです.どうもいけません.

 生き馬の眼を抜くようなIT業界.はからずもそのすみっこのおこぼれで生計を立てている筆者としては,こんなことでは商売に差し支えます.何とかしなくてはと考えておりました.

 ところが,そんな憂鬱な日々をすごしていた筆者にある日,転機が訪れました.最近話題のDVDビデオやらキャプチャやらにはまってしまったのです!

 そもそも筆者は,自分の計算機環境にだいたい満足しておりました.Pentium4の1.6GHz,256Mバイトのメモリ,80Gバイトのハードディスクにタブレット――本誌のマンガを描くくらいであれば,それで十分なのです.会社では,Pentium?マシンを,ぶつぶついいながらも使っています.ドライバ屋にそんなに新しいマシンは必要ありませんし,少し枯れたくらいのほうがいい場合もありますよね.新しいマシンが欲しいなどとこぼしながらも,それはそれで,まあ満足しておりました.

 ところが,ふとしたきっかけでパソコンでのビデオ録画を始めてしまったというわけです.1万円程度のチューナ付きのビデオキャプチャカードを購入し,それで最近放映中のアニメや落語などを録り始めたのです.

 するとどうでしょう,アッという間にHDは足りなくなる! さらに記録型DVDを買いに走り,DVD-Rではなく,DVD+Rを購入して,リビングのDVDプレーヤで読めずに情けない気持ちになる(笑)! 果てはあれほど満足していたパソコンの処理速度が,ビデオ圧縮のために不満に思えてくる,などなど!…….すっかり計算機環境のリフレッシュへの欲望とともに,おたくな趣味も盛り返しました.「おた」の「ぶり返し」です.

 時間がないからと見逃していたさまざまなアニメや,NHKの落語番組やらを,昼休みに1話ずつ,アニメはその気恥ずかしさに身悶えしながら,こつこつと追いはじめ…….

 あらためて,筆者の「原点」というものは,こういった「自分に」役立つシステムをあれこれ構想し,組み上げていくことだったなあと気づきました.その過程で得た知識や経験が飯の種になっていました(そして,かつてはそれがデバイス中心だった).最近そういったことを思い返しながら少しずつ「やる気」をとり戻しています.とても財布が軽くなるのが困りものなのですけれども,なかなか納得できる自己投資なのでした.



藤原弘達 (株)JFP エンジニア,漫画家

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