Column まだまだ続くシリコンバレーの不況
最近,シリコンバレーのオフィス街を運転していると,やたらに「テナント募集中」の看板が掲げられたオフィスを見かける.貸しビルによるオフィス(自社ビルが非常に少ない)がほとんどのシリコンバレーでは,会社の状況に応じて社屋が代わることが多い.あまり高いビルがない「キャンパススタイル」という2〜3階立てのオフィスが主流で,看板にはオフィスのサイズが書いてあるのでどれぐらい大きいかも一目瞭然だ.また,看板の多さからも,レイオフやら倒産・解散でオフィスが相当余っているのだということがわかる.
サンフランシスコ市内では,一時期,多くの倉庫街の建物がインターネット関連のオフィスに改装されたが,そのほとんどが空きビルになってしまった.最近の地元紙の報告によると,シリコンバレーの失業率が前四半期から0.5%上昇して7.6%になったそうだ.昨年末のEnronの簿外取引にはじまり,XeroxやWorldComなどのテクノロジ企業の粉飾決算事件で,テクノロジ全体も雰囲気を悪くしている.
ITの経費が伸びないとCiscoなどの大手通信機器メーカーに発注が来なくなり,これらのメーカーに納品をしているソフトやハードウェアベンダにもビジネスが回らなくなるという連鎖反応がある.大型レイオフはあまり聞かなくなったが,新しく人を採用している会社が非常に少ないのは確かなようだ.まだまだ不況は続くようで,最新の予測によると2003年の後半までかかるといわれている.
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