シリコンバレーで働くシングルの男女はどうやって出会うのか? いろいろ考えられる中からリストアップしてみた.
- 学校からの知り合い
- 職場や仕事
- 知り合いや兄弟,親戚からの紹介
- バーやクラブなどで
- 教会や礼拝をする場所で
- スポーツ・ジム,趣味のサークル,ボランティア活動を通じて
- 結婚紹介所などの仲介会社を通じて
- インターネット(チャット・ルーム,メル友,出会い系サイトなど)
多くは日本とあまり変わらないかと思うが,中にはアメリカ独特の出会いの場がある.まずは,1番目だが,ここには日米の格差はないと思う.学校を出たての若手エンジニアであれば,学校からの知り合いなどのネットワークで出会いがよくあると思う.その次は,職場や仕事を通じてだ.これも日米格差なくあると思う.ただし,シリコンバレーでは職場の出会いがこじれて事件になることがある.サンノゼ市は大都市であるがドラッグやらギャングなどの問題が非常に少ない街である.これは20年前ぐらいから地元の警察が徹底してこういう問題に対応した結果である.しかし,シリコンバレーでの数少ない殺人事件の原因は,ギャングやドラッグとは関係のない,知人間での殺人やドメスティック・バイオレンス,家族間による暴力がエスカレートしたケースだ.ニュース性が高いものとしては,10年ぐらい前にあった電子部品系の会社でのストーカー事件があった.エンジニアが職場で知り合った女性に交際を求めたが,断られてしまった.このエンジニアは優秀な技術者ではあったが,対人関係があまり得意でない,ステレオ・タイプなGeekであった.その後ストーカー行為をして会社で問題になった.そして,このエンジニアはほかの理由で会社を去ったが,数週間後,仕返しに会社へ拳銃を持って乗り込んで銃の乱射事件を起こし,上司や関係者が数人死亡した.女性は撃たれたが大丈夫だった.本人は地元警察のSWATに射殺された.これは大事件になった例だが,シリコンバレーにも多少しつこく付け回したりする男性がいるので,女性のほうもガードが固い.ちなみに6番目のスポーツ・ジムは,このコラムでも少し書いたことがあるが,社交の場となっている.ここでも同じようにしつこく女性を付け回す輩が多く,筆者も通っているジムで見かけたことが何度かある.
4番目のバーとかクラブであるが,これはアメリカらしいものではないだろうか? ハリウッド映画に出てくるワンシーンのようなもので,独身の男女が新しい出会いを求めて仕事帰りや土日におしゃれをしてクラブに出かけるわけだ.一方,5番目の教会や礼拝する場所を通じてというケースでは,「良い人は飲み屋に行きません…ちゃんと教会に行くのです」というアメリカのお婆ちゃんの知恵からきている.実際に教会では独身者向けのイベントなどを多く用意している.出会ってくれて,結婚して,そのまま家族で礼拝を続けてくれれば教会側としても嬉しいということなのだろう.6番目のボランティア活動も社交の場としては人気がある.たとえば,同じ環境保護関係のボランティア活動では趣味や政治的注3な傾向が同じなので,ボランティア活動をして人の役に立ち,また恋人探しもできるので,アメリカでは一石三鳥とも考えられている.
7番目と8番目は合計で10億ドル近くになるビジネスに成長しているといわれる.7番の結婚紹介所はオーソドックスな紹介,つまりお見合いまではいかないが,相手を紹介するところまでセッティングするようなビジネスだ.ただ,最近では形が変わり,パーティや野外でのサイクリングを多数で行うタイプが多くなっており,紹介所もコンサルタントを置いて細かく服装や身だしなみ,しゃべり方のコーチングをしてくれるところも出ているようだ.最近話題になっているのは3分デートというイベントで,同じ数の男女が参加するタイプだ.必ず全員に話をする機会が設けられるという特典があるが,3分間に限られている.全員と話ができたら解散し,その後は各自連絡を取り合うというシステムらしい.気の短いアメリカ人にとっては人気のようだ.
8番の中のインターネットの出会い系サイトは3億ドル相当のビジネスに成長しているといわれており,さまざまなサービスが展開されている.アメリカらしい点は,自分の性格や好みを細かく入力するようになっていることだ.日本の携帯電話系のサイトと違い,未成年者がトラブルにあったとか犯罪につながったケースがそれほどないので,アメリカでは社会的に受け入れられていると感じる.
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