サラリーマン筆者のための確定申告の手引き

確定申告の手引き < main

 本業の傍ら,原稿を執筆くださっているみなさま,いつも本当にありがとうございます.
 原稿料収入は,所得税を計算する上で「雑所得」とみなされます.サラリーマンの方は,通常,勤め先から「給与所得」を受け,所得税は毎月の源泉徴収と12月の“年末調整”で徴収されているわけですが,このままでは雑所得の所得税については正確に算出されていないことになります.そこで,翌年2月〜3月ごろに“確定申告”を行い,正確な金額の所得税を納めることとなっています.

 ざっくり言って,「その年内に受け取った原稿料の合計額が20万円以上」になった人は,確定申告を行う必要があります.
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1900.htmを参照.
 ただし,雑所得として申告するものは,

( [公的年金等以外の,雑所得としての]総収入金額 − 必要経費 )

なので,例えば原稿料を25万円受け取っていたとして,原稿執筆のためにかかった経費が10万円ある場合は,雑所得は(25−10)=15万円となり,確定申告をしなくてよい範囲となります.
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1500.htmを参照.

確定申告をしなければどうなるの?

 出版社が個人に原稿料を支払ったことを示す「支払調書」は,筆者のお手元だけでなく,税務署のほうにも送られています(★).なので,確定申告をしなかった場合,税務署から延滞税などを加算されることがあるようです.
 なお,出版社から個人の方に原稿料をお支払いする場合には,あらかじめ所得税分(10%)を源泉徴収しているので,確定申告をしなかったからと言って筆者の方が大きく得をすることはないかと思います.
 所得税率は,課税される所得金額(控除分を引いた金額)が
   195万円〜330万円未満なら10%,
   330万円〜695万円未満なら20%
のようです(http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htmにて確認.2008年2月現在).

確定申告をしたら所得税をもっと取られるの? それとも戻ってくるの?

 原稿料は,筆者の必要経費にかかわらず源泉徴収させていただいているので,扶養家族や必要経費の金額によっては戻ってくることもあり得ます.
※これについては,筆者の方々よりデータを収集中です.

確定申告って,どうやってやるの?

 ご自身の地元の税務署に「確定申告書」を提出します.確定申告書は,Web上で作成することもできます(Web上で作成→印刷して税務署に郵送/持参,することもできる.また,Webで作成から申告までを済ませるe-Taxというものもある.ただし,e-Taxには,IDや電子証明書の取得,ICカード・リーダなどの機器が必要).

 確定申告書のサンプルが以下にありますので,参考にしてください.
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2007/a/03/03002000.htm
 おそらく,
・第一表,手順2,緑の「収入金額等」,の欄に,得た雑取得の金額を記入する
・第一表,手順2,青の「所得金額」,の欄に,必要経費を差し引いた金額を記入する
・必要経費の詳細は,第二表,手順2,の下のほうの事項に書き込む
でよいかと思います.

 詳しくは,国税庁のWebサイト(http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/kakutei.htm)を参照してください.もしくは,国税庁 税務相談室(TEL 03-3821-9080)や最寄りの税務署などにお問い合わせください.