ネットで学ぼうインターネット入門

連載 第1回   通信のしくみ「パケット中継」


インターネットは,米国の軍用ネットワークのために開発された技術を使っています.複数のコンピュータを次々と接続して,ネットワークを拡大し,最終的には大規模なネットワークを構築することができる技術です.
このようなすばらしい技術が「インターネット」として,学術研究から個人の情報発信にまで使われるようになりました.いまや携帯電話から電子メールをやり取りしたり,Webを見ることもできるようになり,身近な存在です.
しかし,この「インターネット」に使われている技術をきちんと理解することは,意外と大変です.インターネットが日々拡大するように,そこで使われている技術も日々進化しています.
本稿では,その技術やインターネットの仕組みをわかりやすく解説し,実際にコンピュータを動かして,身体でインターネットを理解できるように,解説を進めていきたいと思います.
今回は,インターネットの重要な性質の1つである「パケット中継の仕組み」について解説します.
 これまでの通信システム「個別接続からインターネットへ」
コンピュータは,キーボードやマウスを通して,人間とコミュニケーションをとります.
また,RS-232-Cやモデム,イーサネットを通して,ほかのコンピュータとつながり,コンピュータとコンピュータのコミュニケーションを行います.
図1は,インターネットが盛んになる以前のコンピュータ間の通信の様子です(これを個別接続システムとここでは名付ける).
コンピュータやモデム,計測機器などがRS-232-C(いわゆるシリアル端子)によってコンピュータとつながった世界を想定しています.では,RS-232-Cにはどのような情報が流れているのでしょうか?
コンピュータAとコンピュータBがRS-232-Cを介してファイル共有を行うとすると,このRS-232-Cにはファイル共有のための情報が流れます.
電話回線を経由してパソコン通信を行うとすると,RS-232-Cにはパソコン通信の情報が流れるはずです.


(図1) これまでの個別接続の通信システム
それぞれのハードウェアをそれぞれの専用プロトコルで使用しており、離れたコンピュータにつながった機器は使えない


 CQ出版 TOP OPENDESIGN TOP 目次に戻る
 
Copyright CQ Publishing Co.,Ltd. 1997-2003