ネットで学ぼうインターネット入門

連載 第3回   サブネットとネットマスク


 前回までは,ルーティングテーブルによるルーティングのしくみについて解説しましたが,実際のインターネットにおいて,これまでに解説した方法でルーティングテーブルを作成すると,コンピュータには保持できないほど巨大なものとなってしまいます.そこで,今回はルーティングテーブルを小さくすることができるサブネットと,ネットワークアドレス,およびネットマスクという概念について解説します.  
 
 ルーティングテーブルを小さくする
● ルーティングテーブルの爆発
 前々回に説明したルーティングテーブルを思い出してみましょう.図1にネットワークとルーティングテーブルの例を示します.
 ルーティングテーブルには,「あるコンピュータにパケットを送りたいとき,どのコンピュータに中継を依頼すればよいか」が羅列されています.
 では,インターネットには,いったい何台のコンピュータがつなげられるでしょうか? IPアドレスは,32ビット(bit)の大きさがあります.したがって,
2の32乗 = 4294967296 = 約43億 = 4G(ギガ)
 つまり,最大43億台のコンピュータをつなぐことができることになります.
 もし,43億台すべてのコンピュータがインターネットに接続されたとき,ルーティングテーブルには,1台1台それぞれに対応した「中継を依頼するコンピュータ」の情報を持たなくてはなりません.
 この情報(量)であるIPアドレスは,1台につき4バイト(byte)ありますから,43億台すべての情報をメモリに格納するには,16Gバイトのメモリが最低でも必要になります.このメモリの大きさは実用的ではありません.もちろん,インターネットが設計された1970年代では,16Gバイトのメモリは夢のような話であったと思います.
 そこで,このルーティングテーブルを小さくするために,サブネットという概念が考え出されました.


(図1) ネットワークとルーティングテーブルの例

 
 


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