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CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)

 Ethernetの心臓部ともいうべきもので,フレームの送信処理および衝突発生時の再送処理のアルゴリズムの総称である.
 以下,流れを整理して説明する.
(1)上位層からデータを受け取り,送信フレームに加工する.このとき,必要に応じてPADデータを付加した後,フレームのCRC値を計算してフレーム・チェック部に設定する.
(2)ほかの通信ノードが物理層を使用中の場合は,送信待機状態となる(Carrier Sense).
(3)物理層が空いて送信可能になっても,すぐには送信できない.所定のフレーム間隔(InterFrame Gap)を確保するために規定時間(9.6μs)待ってから送信を開始し,フレームをシリアル・ビット列として物理層に送出する.
(4)送信中に衝突を検出した場合でも,フレームの送出はすぐには停止されない.衝突状態をほかのノードでも確実に検出できるようにするためにジャム(Jam)と呼ばれる特殊なパターンに切り替え,それを32ビット分送出する.ジャムのパターンに特別な規定はないが,ジャム直前までの転送フレームのCRC値に一致するものであってはならない.
(5)衝突発生時には,規定のアルゴリズムに基づいて再送を試みる.MAC部における再送は最大16回であり,16回連続で衝突が発生した場合には,上位層へ送信失敗が報告される.
 次に,衝突発生時の再送処理のアルゴリズムについて説明する.
 EthernetやIEEE 802.3では,再送処理アルゴリズムに,再送信間隔に上限を設けた台形型バイナリ・エクスポーネンシャル・バックオフ(truncated binary exponential backoff)が採用されており,再送信間隔Tはスロット・タイム(51.2μs)を基準に以下の式で表現される.
  再送信間隔 T[μs]=51.2×n
 整数nは0≦n<2kの範囲からランダムに選択する.ただし,kは衝突回数で最大値は10である.
 このアルゴリズムでは,物理層が混み合って衝突が増加してきた場合に,衝突フレームの平均再送間隔を指数関数的に増加することによってその衝突確率を減らす.ただし,再送間隔の上限は衝突回数が10回以降は同一とする規定なので,システムとしての最大再送待ち時間は52.4ms(=51.2μs×1023)となる.一方,衝突回数が1〜2回程度と少ない場合には,その平均再送時間は短く,あまり待たずに送信を開始することができる.
 衝突回数によって物理層の混み具合を想定し,再送信の確率を変動させながらそれに対応する優れたアルゴリズムである.これにより,混雑時には物理層の衝突確率が減って,その利用率が向上し,非混雑時には衝突による再送遅延が小さくなるように調整されるので,ここでも利用率が向上する.  


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