トランジスタ技術SPECIAL

　インターネットに接続されたモノどうしが互いにやりとりしながら勝手に動くIoT（Internet of Things）時代がやってきました．テレビ/家電/車から時計/体重計などの日用品まで，ありとあらゆる「モノ」がインターネットに接続されつつあります．インターネットに直結できる無線モジュールの登場により，モジュールをつなぐだけで「モノ」がIoT化できるようになりました．さらに，技術基準適合証明（技適）取得済みの無線モジュールが安価に出回るようになり，「モノ」を無線でインターネットに接続するハードルがぐっと低くなりました．そんなモジュールの筆頭が，「ESP-WROOM-02」や「ESP-WROOM-32」（以下，ESP）です．
　ESPは，Epressif Systems社が開発したWi-Fi対応のマイコン・モジュールです．技適取得済みで，モジュール単体の価格が550〜700円と安価です．プログラム開発環境は，専用のものが無償で公開されているほか，Arduino用の開発環境である「Arduino IDE」を使ってプログラムを作成することもできます．また，マイコン用インタープリタ言語「MicroPython」を利用することもできます．
　本書では，ESPマイコン・モジュールを搭載したボードや開発環境，活用事例について解説します．巻末にはArduinoライブラリやMicroPythonのリファレンスも付けています．活用事例のソース・コードを付属CD-ROMに収録しています．また，初版限定で，ESP-WROOM-32搭載ボード「IoT Express」製作用のプリント基板も付属しています．

　

第2部 第5章「MicroPython×IBM Watson！ AIニュース・キャスタの製作」実験動画


第2部 第6章「ESP32 × MicroPythonで作るツイート自宅警察」実験動画

◆ Arduino互換のESP-WROOM-32拡張基板「IoT Express」

　「トランジスタ技術」筆者が，ESP-WROOM-32をArduino互換ボードとして使える拡張基板「IoT Express」を開発しました（開発者：白阪 一郎，設計者：渡辺 明禎）．Arduino互換の拡張コネクタが付いているので，でき合いのArduino拡張ボード「シールド」とドッキングできます．DIP部品（リード付き部品）をできるだけ採用し，1日程度で組み立てられるように配慮しました（はんだ付けあり）．


Arduino互換のESP-WROOM-32拡張基板「IoT Express」

　本ボードを製作するためのプリント基板を，本書の初版限定で特別付録として付けています．また，CQ出版WebShopでも有償頒布しています．


「IoT Express」製作用プリント基板

　部品表は本書を参照ください．なお，部品セットをaitendoから購入することもできます．

購入はこちら→ aitendoにて「IoT Express」で検索

▼［組み立て方動画�@］microSDカード・スロットの実装

▼［組み立て方動画�A］ESP-WROOM-32の実装

◆ Wi-Fiアルデュイーノ「IoT Express Mk II」

　CQ出版社は，ESP-WROOM-32を搭載したArduino互換ボード「IoT Express Mk II」を開発しました．前バージョンにあたるESP-WROOM-32拡張基板「IoT Express」のプリント・パターンと回路を見直して改良を行いました．
　具体的な改良点は以下の通りです．
・パソコンとのインターフェース回路を基板上に搭載
・自動書き込み回路を追加
・電源周りを強化
・拡張ポートを追加（DCジャック，2mmピッチ・コネクタ用拡張端子）
・基板外形をArduino UNOと合わせた（アンテナ部分の出っ張りをなくした）
　本ボードはaitendoから購入できます．


ESP-WROOM-32を搭載するArduino互換ボード「IoT Express Mk II」

購入はこちら→ https://www.aitendo.com/product/16899