Leadtek( Leadtek Research Inc. ) www.leadtek.com.tw
5F,NO.4,ALLEY 11,LANE 327 SEC.2, CHUNG-SHAN RD.,CHUNG-HO,TAIPEI HSIEN, TAIWAN,R.O.C. Tel: 886-2 -22484101,Fax:886-2-22484103

 Leadtekの設立は1986年です.資本はUS$10,000,000,売り上げは1997年US$43,000,000,1998年推定US$65,000,000.従業員数およそ200名で,内半数がRDセクションです.場所は,台北縣中和市,MICRO-STARやCHAINTECH,EPoXなどが近くにあります.Leadtekのあるビルは4棟ほどのビルが集まった工業ビル群で,複数の企業の工場や事務所が入っています.

 急速に成長した台湾企業の典型的な構造で,Leadtekは,ビル群のいろいろな場所に事務所があります.つまり,理由は簡単で,最初にひとつのビルに事務所と工場を構え,後に会社の成長に伴い,工場・事務所を拡張していったのです.事務所や工場を増やそうとしても,そのビルにはすでにほかの企業も入っているわけですから,もうそのビルには部屋がありません.そこで,同一敷地内のほかのビルへと拡張していったのです.しかし,LeadtekにはTeleEyeというテレビ電話がありますから,あまり業務に支障はないようです.最終的には,ひとつの自社ビルに工場と事務所をまとめたい,というのが社長のLuさんのの意見なのだそうです.このたび,株式の上場も決定し,急速に発展しています.

 Leadtekの製品は幅広いのですが,わが国で最も有名なものは,グラフィックスカードです.WinFastシリーズといわれるグラフィックスカード群は,常に最新最高性能のものを求めた品質の高いものです(なお,このたびリリースするメインボードもWinFastなので,LeadtekのPC関連製品全般をWinFastというのかもしれない).
 世界的な評価も非常に高く,数々の賞を受賞しています.原稿執筆時点での最新はRIVA TNT搭載タイプのWinFast 3D S320で,TV出力も搭載したものですが,Banshee搭載タイプも近くリリースされます.なお,Bansheeは3D機能を強化するVoodoo2に2Dアクセラレーションを追加したものです.次期製品は,Banshee2ではなくVoodoo3という名称になるそうです.また,初春にはParmedia3もリリースされ,1999年はグラフィックスカードが面白い年になるでしょう.筆者が最初に使ったLeadtekの製品はWinFast S800という,Chromatic Mpact 2を採用した,グラフィックスカード機能とDVDデコーダ機能を合わせて搭載したタイプです.また,通常のテレビ画面にもデータを出力できるようS-VIDEO・コンポジット端子も搭載しています.DVDドライブ,サウンドカード,アンプ,スピーカなどを組み合わせることでホームシアターを実現できます.

 その他の製品としては,TeleEyeシリーズという,テレビ電話システムもリリースしています.通常の電話回線を使った製品とTeleEye ISDNといってISDN回線を利用した製品があります.1999年には386K製品や本格的テレビ会議システムもリリースする予定です.
 TeleEye ISDNを実際にLeadtek本社内で試してみました.フレーム数も多く,これなら出張しなくても十分だ,という印象です.また,アメリカ仕様や日本仕様を選択によって切り替えることもできますし,自動応答機能で自動的に着信させることができ,会社の受付などに使用すると,受付のスタッフは不要ですし,工場や駐車場などの監視システムとしても使用することができます.会社の経費節減にもなります.
 このTeleEyeなどの商品についても1999年からは日本語マニュアルの添付,日本語サポートの充実に向けて動き出しているそうです.また,仮称「インターネット シェアラー」というのだそうですが,1本の電話回線を複数のマシンが共有し,インターネットに入ったり,各自のメールアカウントを持ったりすることのできる製品もリリースする予定だそうです.

 このようなLeadtekが,1998年末にメインボードをリリースしました.近時は,グラフィックスカードメーカーがメインボードをリリースする現象が生じていますが,Leadtekもその例にならったのかな,と思いました.しかし,そうでもないようです.Leadtekは従来からメインボードを作っていたのですが,近ごろはコシュマーレベルの製品を製造していなかったということのようです.
 実はグラフィックスカードについても,シリコングラフィックスの製品と同等のグラッフィクスワークステーションサーバーをリリースしているのです.このカードは,価格も500,000円くらいと高価ですが,インディやO2などを購入することに比べれば安いというもです.世界でもこのレベルのグラフィックスカード(なんと10レイヤー以上のPCBなのだそうです)を作ることのできるメーカーは5社ほどしかなく,アジア圏ではLeadtekのみ,ということです.

 これは,日本でもかなり有名な台湾メインボードメーカーの副社長さんのお話ですが,「Leadtekは値段は高いが,品質は世界一だ」というくらいです.というわけで,Leadtekにとってメインボード製造には技術的に何ら問題ない,というレベルなのでしょう.
 これは,台湾で知っている人は知っているのですが,Leadtek,ASUSTeKなどの社長さんはすべてAcerでは同僚(おそらくは同期・もしかしたら学校も同期)だったようで,台湾PC/ATコンポーネントメーカーのルーツはAcerにあるようです.  ちなみに,Leadtekの日本向けPC/AT製品マーケティング担当のMichaelさんは,ITI(中華民国政府のビジネススクール)の出身で,ASUSTeKの日本マーケティング担当Andrewさんの同級生,また,MICRO-STAR(MSI)の日本マーケティング担当者トッドさんの後輩に当たります.
 そのMichaelさんの悩みのひとつが,Leadtekの体質です.つまり,マーケティングという観点からすると,たとえば,グラフィックスカードをリリースするとき,TV出力なしのものをリリースしたのち,TV出力付きをリリースする,という方法がよいように思われます.たとえば,Bansheeグラフィックスカードなどの場合,一番早くリリースした製品を購入する人も日本では多くいるはずです.しかし,Leadtekはエンジニア主体のメーカーであるため,TV出力付きの最高品質品しかリリースしない,たとえ製品の動作上SDRAMでOKでもSGRAMを16MB搭載するというようなこだわった方針で,他社よりも製品リリースについて遅れを取ってしまう場合があるのです.Michaelさんは,サポートを強化により,ユーザーが十分に納得できる製品を納得できる価格で提供しようとがんばっています.  このようなLeadtekのリリースするコシューマ用メインボードとはいったいどのようなものなのでしょうか?.1999年の初頭からの販売なので,本誌がリリースされることにはショップの店頭を飾っているかもしれませんが,簡単に紹介しておきましょう.

 このメインボード「WinFast 5300シリーズ」の最大の特徴は,SiS530統合型チップセットを採用することにより低価格で高性能を実現したということです.ソケット7を採用し,CPUコア電圧は1.8Vから3.5Vまで.0.1V単位で設定することができます.電流容量も15Aと非常に強力です.システムバスクロックとメモリクロックの同期・非同期を選択することができます.
 つまり,通常はシステムバスクロック100MHz以上動作の場合ではPC100メモリを使用しなければなりませんが,非同期モードに設定することで,システムバスクロック100MHz以上であっても,メモリクロックを66MHzに設定することにより,使用することができるということです.  また,ノースブリッジにグラフィックスアクセラレーション機能が搭載され,チップセット内で処理するため,AGP 2倍モードよりも高性能なグラフィックス性能を実現しています.SiS530では,VRAMメインメモリと共有させることができます.コストと性能をバランスを考えた配慮です(もちろん,別途VRAMを搭載する設計も可能です).
 WinFast 5300では,VRAM・メインメモリ共有タイプで,VRAM容量は,BIOSで2MBから8MBまで設定することができます.製品は,MicroATXタイプとATタイプが用意されていて,MicroATXタイプはサウンドも搭載しています.搭載グラフィックス機能は,DVDにも対応しており,DVDソフトウェアと組み合わせることで,簡単にホームシアターが実現します.  とはいえ,この方法は良いことばかりではありません.つまり,チップセットにバグがあると,Leadtekとしてはどうしようもないのです.11月には設計を終えているのですが,チップセットが仕様通りに働かないためどうしようもないのです.
 Windows95/98での動作については問題ないのですが,WindowsNTでの動作に一部不具合があるためリリースが1999年初頭に延びているのです.しかも,日本での発売のために,日本語パンフレット・日本語Webページ・日本語マニュアル・Leadtekファンクラブの設立などの準備も行うのですから大変だ,とのことです.とはいえ,それだけ品質がよい,ということなので安心ではあります.

 これからは,本格的に日本向けのマーケティング活動を行うとMichaelさんは強調していました.「いくら良い製品でも,それをみんなに知ってもらわないとどうしようもありません.また,売った後のサポートも非常に大切です.Leadtek製品の品質は最高です.自信を持っておすすめします」と元気いっぱいのMichaelさんです.
 本社には日本語を理解できる人は3人おり,日本でもでリードテックジャパンとしての担当者が常駐するという方式です.その中のひとりは日本人が担当することになるそうで,日本人の特徴に応じた幅の広いサポートに期待できます.


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