マザーボード

copyright 岩村 益典 1996-1999

 メインボードともいわれます.いわばパソコンの土台です.DOS/Vは,このマザーボードにある拡張バスに入出力カードやディスクドライブを接続してケースに入っています.マザーボード上には,CPU,(2次キャッシュ),メインメモリ,チップセット,バススロット,IDEインターフェース,パラレルポート,シリアルポートなどが配置されています.
 マザーボードによっては,I/O関係が配置されていないものや,ビデオ機能が配置されているもの(これを「オンボード」という)など種類は様々です.
 CPU以外に全体の能力を向上させるためには,周辺LSIたとえば,TritonのようなLSIが重要な役目を担っています(Pentiumの時代).
 チップセットはIntel社が最初に発売します.VIA,SiS,ALIなどのチップメーカーも数ヶ月遅れで製品を出荷します.チップセットによって性能の優劣が問われた時代がありますが,最近では,極端な差は無いようです.
 写真はベビーATと呼ばれる形状の製品です.現在は,ATX,MicroATXが主流です.シリアル/パラレルインターフェースなどが,マザーボードに直接コネクタが取り付けられているので,ATに比べてすっきりしています.


Triton(インテル社のリリースではトライトンと読む)

 Pentiumの性能を引き出すために,Intelの社に開発したチップセット(Chip Set)82430FXのことです.チップセットは,メモリや拡張バスなどのシステムに密着した部分をコントロールする,数個のチップ(Tritonでは4個)で構成されています.
 メインメモリにEDO RAM,2次キャッシュにパイプラインバーストSRAMをサポートし,全体としてメモリアクセスを高速化しています.
 Intel社は,1996年2月Tritonの後継チップを2種類発表しました.Triton2です.すでに,Triton2を搭載したマザーボードも発売されています.メモリアクセスやPCIバスの効率が改善され,USBにも対応しているものもあります.
Pentiumマザーボードの例(ASUSTek社製P/I-P55TP4N)
486マザーボードの例(SHUTTLE社製)

拡張バス

 拡張バスは,データの通り道のことで,バスが高速であるとパソコン全体の速度も向上します.PC/XTでは8ビットのXTバスを採用していましたが,PC/ATで16ビットに拡張されました.


 高速なCPUを活かすには,高速なバスが必要になります.現在主流になっているのは,PCIバスです.ISAバスは,モデムなど一部の拡張カードに残っています.

ISAバス元は,PC/XT用のバスで8ビットでしたが,PC/ATで16ビットに拡張されました.もっとも利用されているバスで対応カードも多く発売されています.ただし,バスの速度は速いとはいえません.
MCAバス1987年にIBM社のPS/2に採用されたバスです.機能的には非常に優れていましたが,ISAバスとハードウェア上の互換性がありませんし,IBM社のクローズドな方向性で普及しませんでした.
EISAバスIBM社のMCAバスに対抗して,Intel社やコンパック社などの各社が参加して開発したバスです.MCAバスと同様に普及しているとはいえません.サーバーマシンでは長く残っていました.
VLバス(VESA Local Bus)VESA(ビデオカードメーカーを中心とする団体)が標準化したバスです.CPUに直結したローカルバスをもっていて,ISAバスとの互換性もあります.しかし,仕様が486系のCPUに依存しているため,言い換えると486の仕様を前提としているため,Pentiumマザーボードのほとんどに採用されていません.
PCIバスIntel社が提唱し,PCI Special Interest Group が管理する32ビットバスです.異なるバス間の違いをブリッジと呼ばれるチップが吸収することによって,様々なアーキテクチャに対応しています.CPUの依存度も低く,高速なデータ転送を実現します.現在の主流です.一部64ビットバスタイプが出ています.
 グラフィック拡張カード専用にAGPというPCIを拡張したバスが利用されています.

●ISAバス・・・ISAバス,XTバス使用のカードを取り付けできます.
●VLバス・・・VLバス,ISAバス,XTバス使用のカードを取り付けできます.

BIOS

 Basic Input/Output Systemのことで,基本入出力システムと略されます.各種ハードウェアとOSの間で,データの受け渡しや制御を受け持ちます.普通は,ROMの形でマザーボードに配置されています.同じCPUを搭載していても,BIOSの働きが異なると同じプログラムは動作しません.互換性を作成するためには互換性のあるBIOSを使わなければならないのです.互換BIOSとしては,AMI社,AWARD社,Phoenix社ものなどがあります.
 PC/AT互換機マシンは,組み立て時や周辺機器の構成を変更したときなどに,一度BIOSのセットアップを実行して,マシンの構成をBIOSに知らせる必要があります.1995年,Windows95のPlug&Playに対応するために,BIOSが拡張されました.
 その後USBなどの新しい規格,DMA/33などのハードディスクの大容量化に合わせて,BIOSは日々拡張されています.

Plug&Play

 周辺機器や拡張カードを本体に取り付けるだけで,自動的に適切なコンフィグレーションを行う機能のことです.まさに,Plug(差し込む)とPlay(動作する)です.Windows95/98はPlug&Playに標準で対応しているOSです.PnPと略されます.


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