- 動的なページ
- 静的なページに対して動的なページがあり,そのためには記憶装置から情報を取り出すのではなく,HTTPクライアントからの要求のたびにソフトウェアによって情報を作り出して,返送する方法が考えられます.毎回情報が新たに作り直されるため,このようなWebページを動的なページと呼びます.では,動的なページとは,どのようなものでしょうか?
例えば,
- HTTPクライアントがサーバにアクセスした時刻を表示するページ
- HTTPクライアントがサーバにアクセスした回数を表示するページ
- HTTPサーバに接続されているデジタルカメラの画像を表示するページ
など,考えればいくつでも出てきます.
このような動的なページを作る方法の例を図2に示します.HTTPクライアントからHTTPサーバに対して情報取得の要求があると,サーバは静的なページの場合とは異なり,ハードディスクをアクセスするのではなく,Webページを生成するソフトウェアを呼び出します.そしてこのソフトウェアが生成したHTMLや画像情報に対して,HTTPサーバはヘッダ情報を付加して,HTTPクライアントに送り返します.
図1と図2を比べてみると,ハードディスクがソフトウェアに変わっただけだとわかります.Webページを生成するソフトウェアは,OSの内部時計やカメラから情報を取り出し,その情報をHTMLや画像ファイルという形に変形し,HTTPサーバに送ります.
そのため,HTTPサーバが提供するページが静的であっても,動的であっても,HTTPクライアントからHTTPサーバを見た場合,なんの違いもありません.HTTPクライアントから,GETコマンドにより情報取得を行うと,サーバから情報が返ってきます.
つまり,HTTPを使うことによって,動的な情報と静的な情報の両方の性質の情報をWWWシステムによって統一的に扱うことができます.このことによって,もともとは研究情報を公開するためのWWWシステムでしたが,インターネット銀行や企業間取引といったシステムに発展することができた要因だといえます.
〔図1〕WWWシステムのしくみの復習

〔図2〕Webページをソフトウェアで生成する方法
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