まとめ
3回に渡って,Webシステムについて解説してきました.これ以外にも取り上げられなかったHTTPのPOSTメソッド,クッキー,SSI,JSP,Servletなどさまざまな技術があります.これらを解説するだけでも本1冊ができてしまいますので,興味を持たれたら関連の書籍を参照してください.「隠蔽」というキーワードでこれらの技術を見直してみると,理解がより深まるかと思います.
 
   今回のまとめ
  1. 内部構造を隠蔽することで,クライアントのしくみを単純化できる.
  2. サーバをマルチスレッドにすることで同時に多くの要求を処理している.
  3. 外部ソフトウェアは,Webサーバにさらに負荷をかけてしまうため,使用を制限しているプロバイダが多い.
  4. 掲示板ソフトウェアやチャットソフトウェアでは,データファイルのロックが重要である.
  5. データファイルのロックに失敗すると,発言情報が失われることがある.

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次回からは,インターネットのもう1つの大きなアプリケーション,電子メールのしくみについて解説する予定です.


● 1日あたりのアクセス数ってどれくらい?
 日本国内でもアクセス数の多いWebページの1つとして,Yahoo!JAPAN(以下Yahoo)が有名です.
 2001年5月時点で,Yahooには1日あたり1億9000万回のアクセスがあるそうです.1億9000万といってもどれくらいのアクセス数か想像もできません.
 1日24時間ずっとおなじペースでアクセスがあるとして,

 1時間あたり,8000万アクセス
 1分間あたり,13万アクセス
 1秒間あたり,2200アクセス


となります.
 1つのHTTP(TCP)の通信が10秒かかるとすると,平均して2万2千の通信が同時に行われていることになります.実際はアクセス数の変動には波があって,夜に多くなったり,早朝に少なくなったりするので,瞬間最大ではもっと多くの数になると思われます.
 これだけの通信量を滞りなく処理するために,YahooではWebサーバを並列に何10台も動かしたり,1つのセッションあたりの通信時間ができるだけ短くなるように,Webページのサイズを小さくするなど,さまざまに工夫しているようです.


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