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埼玉リコー(株)

牧野俊雄氏,萩原昭彦氏,松村康子氏

 大宮市に本社のある埼玉リコー(株)は,埼玉県全域をテリトリとするリコーグループの販売会社です.コピー機やFAXなどのOA製品を中心に扱っていますが,併せてPC販売も行っており,NT Serverによるネットワーク構築も手がけています.
 OA製品の顧客は民間・行政を問わず,あらゆる規模・業種におよびますが,ネットワーク構築ビジネスでは,県内大手企業が中心になるそうです.ネットワークの中でも,特にグループウェアに特化して,ハードウェア/ソフトウェアとも,自社で深く理解した製品だけを扱うという姿勢を貫いています.
 同社でネットワーク構築などを手がけているネットワーク営業部ネットワーク支援グループにお話を伺いました.

■ OA機器からPC,ネットワーク構築まで,埼玉県全域で活動

---- まず会社の概要から教えてください.
 私どもは,埼玉県をテリトリとするリコー製品の販売会社であり,県内全域に21の営業拠点を持って活動しています.社員は現在760名です.中心となる取り扱い製品は,もちろんコピー機,FAXですが,最近ではPCの販売もかなりの規模になってきています.このPC販売の一部に,ネットワーク構築のビジネスがあります.

---- 顧客はどういった企業が主ですか?
 コピー機やFAXなどは,公共,民間を問わず,県内のあらゆる事業所が対象ですが,ネットワークとなると,現状では県内の一部上場企業や地元大手の企業が中心ですね.
 私どもの販売体制としては,各支店営業所を中心とした「エリア」と呼ぶ販売部門と,大手顧客を中心とした「MA(メジャーアカウント)」営業部が中心となりますが,現在,ネットワーク構築の商談が多いのは,MA部門のお客様からです.県内の大手企業には自動車産業関連が多いですから,私どもでネットワーク構築をさせていただくお客様も,製造業が中心になっています.

■ Windows 95以降に大きく伸びたPC販売がネットワークを牽引

---- ネットワーク構築を手がけられたのは,いつ頃からですか?
 リコーでも,以前は,自社ブランドでのパソコン販売や,スターLANというネットワーク製品を手がけていた時期もありました.PC販売が伸びたのは,実際にはWindows 95の発売時期からです.この時,県内5ヵ所で計6回,「Windows 95 Preview Seminar」というイベントを開催したのですが,まだ発売されていないOSを見るために,600人以上のお客様がご来場くださいました.これは,OA機器中心の私どもにとって,よい意味で大きなカルチャーショックでしたね.これ以後,PCの販売も大きく伸び,それに連れてネットワーク製品の販売や構築も伸びてきたのです.
 当初,NetWareを扱っていましたが,NT3.51が出た頃から,実はお客様からの引き合いを見ていくと,NTに集中してきていることに気付いたのです.私どもの持つネットワーク関連のリソースでは,NTとNetWareの両方を完全にサポートすることは難しいと考え,NTに絞った体制へとシフトしました.今考えれば正解でしたが,当時は大きな決断でしたね.

■ 自社利用でノウハウを蓄積し,自信を持って提案する

---- グループウェアの構築に特化しているとのことですが?
 私どもではポリシーとして,ハードウェア,ソフトウェアともに自社で自信を持ってご提案できるものだけを扱うことにしています.サーバー機などもシェアの高いメーカーに絞り,担当者はメーカー認定の資格を取得しています.実はリコーグループは,グループウェアに関してはNotesの大ユーザーです.私どももNotesを利用していますから,グループウェアに関してはノウハウがありました.しかし,Exchange Serverが発売されて,今後を考えれば,グループウェアと言いながらExchangeを扱えないのではハンディが大きい.そこで,Exchangeを自社で利用し,そのノウハウを蓄積しようと考えたのです.

---- それで,現在自社のネットワークでExchangeを利用しているのですね.
 ネットワークとしてはNotesが稼動する環境がありましたから,Exchangeを導入するにもそれほど苦労しませんでした.しかし,私どものような環境で,Exchangeをどう利用するのが一番効果的なのか,どのようなサイト構成にすべきか,そういったノウハウを吸収するためもあり,マイクロソフト社にコンサルティングサービスをお願いして,Exchange Serverによるネットワーク構成を設計してもらいました.これは大きな経験でしたね.Exchangeを利用する上で知っていなければならないポイントが,非常にクリアーに理解できましたから.

■ 強みとなるリコーグループの情報交換と販社としての機動力

---- リコーグループの一員ということで,ネットワーク関連の技術なども入手しやすいのでしょうか?
 (株)リコーとグループ企業は,「R-WAN」というネットワークで接続されています.そこには20,000名を超えるユーザーが登録されていて,そこで得られるノウハウもデータベース化されています.また,グループの販売会社間では,「RNC(リコー・ネットワークスペシャリスト・クラブ)」という組織があり,各社のSEがノウハウを共有する場となっています.私どものExchange Server導入事例もRNCで取り上げました.こういう仕組みによって,コンピュータ専業でない私どもも,技術的にほかに引けを取らない提案が可能になっているのです.

---- 他社と比較してほかに強みは?
 県内全域に拠点があるということも,大きな強みですね.お客様からの電話1本で,技術者を派遣することができます.リモートメンテナンスのツールもいろいろありますが,ハードディスクがクラッシュしたらお手上げです.私どものサービスは,「痒いところに手が届く」機動力がメリットですね.

■ Office製品のデータ共有にはExchange Serverが最適

---- 自社でのExchange Serverの利用について教えてください.
 県内21ヵ所の営業拠点に全部で25台のExchange Serverを設置しています.全社760名の社員が利用するものです.営業が中心の私どもでは,日中は社内に人間がいません.夕方帰社してから,短時間で書類を作成しますから,それを簡単に共有できる仕掛けが必要だったのです.
 書類を作成するには,マイクロソフトのOffice製品を使用していますから,そのデータをそのまま共有するには,Exchange Serverが最適です.リコーオリジナルのテンプレートを使用し,パブリックフォルダで情報を共有しています.また,同じくリコー製の「Active Schedule」で,グループスケジュールの管理もしています.
 メールは,従来,e-mail,UNIX系メール,Notesの3系統があったのですが,Exchange Serverで統合できました.今後は,Exchange ServerでのSFAも予定しています.

■ 今後への関心

---- 今後の利用については?
 NT Serverは,PCでのクライアント/サーバーシステムのプラットフォームとして,ますます伸びていくでしょう.特に私どもでは,グループウェア,イントラネットに力を入れているため,24時間ノンストップで稼動させられるクラスタリングのMSCSなどが出てきたことは心強いですね.また,Exchange ServerとSite Serverの連携による全文検索の利用や,IISやProxy Serverによるイントラネット構築などに関心を持っています.
−最後にユーザーに対してアピールがあればお願いします.
 「リコー」というとコピー機やFAXのイメージが強く,グループウェアの商談に伺うと,お客様から「そんなこともやっていたのか」と驚かれることもあります.Exchange Server導入をご検討の方は,一度お声をかけてみてください.よろしくお願いいたします.

(インタビュ/松永 晃)

Information

● 設立:1967年 ● 代表:瀧口 春生 ● 従業員数:760名 ● 所在地:埼玉県大宮市宮原町 ● TEL:048-664-2242 ● 担当部署:ネットワーク営業部ネットワーク支援グループ ● 担当者:牧野 俊雄 ● E-mail:makinot@saitama.ricoh.co.jp
● 主な事業内容:リコーOA機器,通信機器,PCなどの埼玉県内における販売とアフターサービス,PCネットワーク構築支援など ● 取得MCP:Windows NT Server,Windows NT Work staion,Windows 95,Exchange Server,SQL Server,IIS+Index Server,TCP/IP


1998年12月号掲載