「はばたきシステム」 ビューティーサポー(株)
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● システムの概要
「はばたきシステム」は,会員制で化粧品の製造直売を行っているビューティーサポー(株)の販売管理システムのフロントエンド部分です.会員は,最初はオフィス(店舗)で直接アドバイスなどを受けて化粧品を購入します.この時,会員登録も行われます.以後は電話,またははがきでの注文が主となります.
このシステムでは,この種の通信販売業務で必要となる,会員管理,受注,請求,入金,流通,在庫管理,販促の各業務を,東京と広島の2つの本社,高宮(広島)の流通センター,東京,大阪,岡山,広島,東広島,博多,札幌,横浜の8つの販売拠点(オフィス)を,128Kの専用線やフレームリレーで結んだ分散システムで実現しています.
各拠点間のトランザクションは,Exchangeメールで受け渡し,それぞれの拠点が非同期で動作するように工夫されています.また,各プログラムのエラー処理ロジックにシステム管理者へのメール送信処理を入れ,アプリケーションの異常があればすぐ気付くように配慮しています.
システムの処理の大きな流れは,次の通りです.
(1) 各オフィスで受注入力を行う
クライアントマシン上で会員情報を参照 →
受注者による即時受注情報入力 → オフィスのデータベース更新 →
本社と配送センターにメールにてトランザクションを送信.
(2) 流通センターから品物を送付する
(3) 会員はコンビニで入金する
電算システムのコンビニ収納サービスを利用.
(4)
入金通知が電算システムを経由してビューティーサポー本社に届き,入金消し込みが行われる
各オフィスには,そのオフィス管轄の会員情報,購入履歴などのデータを保存し,本社では全社分のデータを管理しています.本社は,東京と広島の2個所にあり,バックアップを兼ねて,両本社に同一のデータベースを用意し,同時に更新しています.
各オフィスの商品在庫は配送センターで把握しており,過去の販売実績などから必要量をオフィスに送付する仕組みになっています.
<図A> システムの構成図
● システム導入効果
導入以前 |
導入以後 |
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会員情報の管理 紙ベースで会員情報を管理し,受注の際,会員の肌情報などを確認するときには,キャビネットから毎回これを取り出していたため,会員を待たせる時間が長かった. |
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会員情報をすべてデータベース化し,クライアントマシンで即座に照会できるので,受注効率が大幅にアップした.また,Windowsならではの機能として,会員の肌情報(しみ,吹き出物の位置など)を顔のイラストにプロット表示するなど視覚的な表現も工夫しており,美容アドバイザにも喜ばれている. |
受注処理 入力担当者を設け,受注伝票をバッチ入力しオフコンで処理していたので,時間がかかっていた. |
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受注情報は,受注者が即時入力することで効率が上がっている.その際,お勧め商品,購入履歴のない商品,その会員に勧めてはいけない商品などを色で識別するなどの工夫をしており,トラブルの減少にもつながっている. |
入金処理 入金入力では,郵便局から届く振込票をOCR入力していたが,キーとなる会員番号にカナが含まれており,誤読が多く修正が大変だった. |
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入金入力は,会員番号を数字のみに変えたためOCRの読み取り精度が上がり,また,コンビニ収納サービスの利用によりコンビニで入金された分は入力が不要となり,作業量が激減した. |
1999年2月号掲載