データウェアハウジング フレームワークと
データ分析機能


 講義の最後はSQL Server 7.0に含まれるデータウェアハウスの機能にフォーカスした「データウェアハウジング フレームワークとデータ分析機能の解説とデモ」です.マイクロソフトソリューション デベロッパー事業部ソリューションテクノロジー支援部SQL Serverプロダクトマネージャの中野雅由氏からデモを交えた説明が行われました.
 データウェアハウジングフレームワークからは,DTS (Data Transformation Services),Microsoft Repository,Microsoft OLAP Services(開発コードPlato)の3点についての解説が行われました(図4).その中でDTSの機能について「SQL Server 7.0へのデータ移行ツールという位置付けではなく,相互にデータ移行させることができる」という点が印象に残りました.これは,例えばSQL Server,Oracle,DB2があった場合に,SQL ServerOracle,SQL ServerDB2の双方向でのデータ移行が可能なことを意味しています(図5).既存システムのデータを活用する上で,使い方次第では有効なツールとなりそうです.

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<図4> データウエアハウジング フレームワーク


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<図5> DTSは双方向のデータ移行を行える

 また,Microsoft Repositoryではデータウェアハウスの構築,運用,管理を行う管理者のためのテクニカルメタデータと,エンドユーザーのためのビジネスメタデータの両方を管理すること.今回のバージョン2.0からSQL Server 7.0に含まれるようになったことなどが説明されました.
◆ OLAPサーバー
 データストレージ管理の方法として,どのような場合にROLAP,MOLAP,HOLAPのうちから選択してキューブ,集計テーブルを作成すればよいか.という疑問に対する答えを期待したのですが,残念ながら各管理方法のメリット,デメリットに関する解説まででした.ただし,後のデモからも明確なように今回のOLAPサーバーでは,データストレージ管理方法とCUBEウィザードによるファクトテーブル,ディメンジョン/メジャーの作成,選択は完全に分離されています.
 試行錯誤しながら現在の分析ニーズに最適なのは,ROLAPなのかMOLAPなのかということを確認してくことができます.実際にMOLAPでデータ格納を行うまでの手順が紹介されました.

<池田 力也>