パネルディスカッション


 「SQL Serverは基幹系にどう対応したか,データウェアハウスは実用になるか」というテーマでパネルディスカッションが行われました.チェアマンに(有)ヒンターランド代表取締役,日本Windows NTユーザーズグループ会長の金子良治氏.パネラーに北川氏,北原氏,富士ソフトABC(株)技術調査室 恒成英一氏,(株)野村総合研究所 システム技術部 斎藤直樹氏を迎え.BackOffice Magazine編集長 吉田伸三の参加でスタートしました.
 SQL Serverは基幹系に対応したか,という投げかけに対してはYES,規模による,などの意見がありましたが,ここでもEase to UseでSQL Server自体はさらに使いやすいものとなってきているが,やはりDBエンジニアの育成が重要であるという方向に話は進みました.
 テラバイト級のデータベースを扱う斎藤氏や,SIとしての立場からSQL Server 6.5/7.0について語る恒成氏など,それぞれの立場から興味深い発言が続きます.パーティショニング,ビットマップインデックスのサポートなどSQL Serverのエンハンスに関しての率直な意見も出ていました.
 データウェアハウスは実用になるのか,という点に関しては金子氏からのまず導入前に気になる点は,という投げかけに対し斎藤氏の「自分の会社の情報資源は何ですか」というコメントが印象に残りました.これは前半の北原氏の講義でも触れられていた点です.
 北川氏からは「業務データを整理するのはやはりユーザー,SIベンダーの皆さんにがんばっていただく仕事であり,マイクロソフトはその整理されたデータをデータ分析のために活用できる機能を提供する黒子です」という発言がありました.
 最後に金子氏からの「マイクロソフトがSIベンダーに望むこと」「SIベンダーが顧客に望むこと」という問いかけに対する各パネラーからの回答を紹介します.
 「ユーザーとの間に入り業務分析,ニーズ掘り起こしを行っていくSIベンダー,コンサルタントとの協力が大切だと思っています.けっしてマイクロソフトだけでデータウェアハウスができるとは思っていません」(北川氏)
 「ソフトウェアが業務にあわせるというのは確かに正しいが,限度はあります.社内で業務の見直しなども行ってみて欲しい.またデータのライフサイクルを確立,利用するユーザーの努力も必要です」(恒成氏)
 「みなさんはまず自分の仮説を創ってください.開発者はその仮説を検証するためのデータウェアハウスを設計します.適切でない仮説からは間違ったシステムが開発され,修正のための作業,コストが発生します」(斎藤氏)
                                <池田 力也>