Microsoft Certified Solution Provider(MCSP)制度,

大幅に変更される

 今回のMCSP参加条件と提供されるベネフィットの変更の背景には,
(1)マイクロソフト(株)の「中小規模の企業に向けてBackOfficeのソリューション提供を推し進める」という今後の方針に伴うMCSP参加数増加への対応
(2)MCSPのプログラムをワールドワイドのプログラムと統一することで,全世界のレベルと同じベネフィットを提供する
の2点があります.

<MCSPって?>

 MCSPとは,マイクロソフトと密接に連携を取りながら,Windows NTおよびMicrosoft BackOfficeによるシステム構築を実現する,マイクロソフトのパートナー企業です.MCSPに認定されるには,MCP(Microfoft Certified Professional)と呼ばれる技術者が数人必要です.また,高いスキルを持ち比較的大規模なシステムを構築する「特約パートナー」と,地域に密着したきめの細かいサービスを行う「メンバー」に分かれます.どちらも,Windows NTおよびBackOffice製品でシステムを構築する上で,重要なパートナーになります.MCSPとなるには,図1のような条件をクリアする必要があります(1998年7月1日より適用される).

<参加条件の変更点>

 MCSPへの参加条件で今までと変わった点は,下記の通りです.
○特約パートナー
 これまではMCP資格取得者10名以上,MCSEもしくはMCSD資格取得者5名以上が必要でした.これが,MCSDもしくはMCSD取得者2名以上になります.契約金年会費は従来初年度250万円,次年度から200万円でしたが,年会費24万円に変更になります.また,今後はMCP取得者数などの条件のほかに,ビジネスプランを提出し,審査に通過した企業のみ特約パートナーになることができます.
○MCSPメンバー
 MCP取得者が2名以上(BackOfficeのMCP資格取得者がいること)だったものが,MCP2名以上になります.年会費は従来30万円でしたが,24万円になります.

<ベネフィットの大きな変更点>

 また,今回のMCSP認定条件の変更に伴って,下記のようなベネフィットが変更されました.
 まず特約パートナー,メンバーともに大きく変更される点は,MSN(Microsoft Support Network)の提供についてです.これまでMSNはMCSPの制度に含まれて提供されていたのですが,今後は切り離され,独立したプログラムとなります.MSNは別途契約することになりますが,MCSPに認定された企業にはディスカウントが行われます.
 さらに,特約パートナー企業についてはサーバー製品に関して20サーバー200クライアントライセンスが提供されていましたが,今後は10サーバー100クライアントライセンスが提供されることになります.これは,特約パートナーとなる企業はすでに別途大規模ライセンス契約を結んでいることが多く,このライセンスの使用率が低いと判断されたためです.リソースキットやトレーニング類の配布は,引き続き特約パートナーに対しては提供されます.
 また,MCSPに対してのトレーニングコースの提供の強化や, MCSP専用Webを活用し,代表的な質問事項についてQ&Aを掲載,ソリューションプロバイダー間のビジネス交流のための情報広報交換を図ることで,マイクロソフト自体もMCSPとの交流を深める方針となっています.

 その他,受けられるベネフィットの詳細については,今年9月下旬に開催されるMCSP総会において説明される予定です.