欧州で開催されたアマチュア無線の祭典
オーストリアのハムフェア参加リポート


5月31日にオーストリア(OE)のハムフェア“LAA 2003 Internationale Funkausstellung”に参加してきましたので紹介します.今回で16回目を数えるオーストリアのハムフェアは,毎年ウィーンから車で北へ1時間弱,チェコとの国境の小さな町Laaで開催されています.土地柄,チェコ,スロバキア,ハンガリー,ポーランドなど,旧東欧圏からの参加者が目立ちます.
会場はLaaの見本市会場です.会場にはローカルクラブOE3XLAの常設シャックがあり,当日はSSTVを中心に記念公開運用を行っていました.メーカーの出展はなく,Daytonで話題になった各メーカーの新製品を目にすることはできませんでしたが,販売店のブースではフェア特価販売で賑わっていました.
オーストリアのアマチュア無線連盟OVSVは,通常のブースのほかにPLCのブースを出展,PLCモデムが発するノイズを再現し,いかにHFのアマチュア無線に障害を与えるかをアピールしていました.
また,軍の通信部隊が機材の展示を行っていたのが,日本と異なり印象的でした.写真は屋外のフリーマーケットのようす.古めかしいラジオがたくさん並んでいたのが印象的であった




YA1JAのコールサインでアマチュア無線運用
サラマレコン 〜アフガニスタンからこんにちは〜


昨年(2002年)の11月,アフガニスタンの首都カブールからYA1CQを運用されていたJA1CQT中西洋夫さんとの交信から私のビッグストーリーが始まりました.
アフガニスタンは私が初めて訪れた外国であり,主人(編注:JA1EY,ex YA1DT 戸倉正雄さん)との出会い,その地で結婚,そして長女出産と家族全員の心のふるさとの国です.中西さんとの交信の中で,私が30年前にカブールの病院で看護指導をしていたことをお伝えし,病院の現状を知りたい,とお話しました




ニューエンティティ誕生か?
ティモール・レステの旅


ティモール島の東部にあるティモールレステはポルトガルの植民地であったが,1975年にインドネシアが侵略して併合.スハルト大統領が辞任した後,インドネシアとポルトガルはティモールの住民が独立を求める国民投票をするための協議に入り,国連は平和維持のためにUNTAETを1999年10月25日に設立を決議した(UNTAETとは,国連による東ティモールの暫定行政機構).国際電気通信連合ITUは,このUNTAETに「4WA-4WZ」の国際呼出符字列を暫定的に割り当てた.これを受けARRLは,DXCCルールのクライテリア「エンティティの条件 1)国家のb)項 ITUにより国際呼出符字列の割り当てを受けていること」の適用で,2000年3月に東ティモールをDXCCのニューエンティティにした.ここでは,5月24〜28日まで,4W2DNを運用したJR2KDN吉田氏の提供による写真とコメントを紹介する.
写真は4W2DNのコールサインでパイルをさばく筆者




JR3IIR石野一郎さんのシャック拝見

DXCCのアワードには,「Mixed」「Phone」「CW」など各種が用意されているが,その中でも究極のアワードといえば「The DXCC Challenge Award」といえよう.
DXCCチャレンジアワードは,1.9〜50MHz(10バンド)における各周波数帯の交信数の合計を競うもの.
例えば,10バンドで個々に100エンティティと交信してQSLカードをコンファームした場合,10バンド×100エンティティで“1000ポイント”になる.また,1000ポイントを超えれば,タイトル写真の豪華な楯を手に入れることができる.
兵庫県加西市のJR3IIR 石野さんは,このアワードに人一倍こだわりを持つDXerである.6月1日にARRLが発表した最新リストでは,石野さんは“2861ポイント”で堂々と世界17位 (日本1位)にランキングされた(最新リストは,本誌p.158参照).
“2861”といえば,仮に10バンドで平均すると,各バンドで“286エンティティ”と交信したことになる数字である.
今回,石野さんのご自宅を訪問し,DXCCチャレンジで高得点を積み重ねているシャックを拝見させていただいた.予想に反したベーシックなダイポール系のアンテナシステムは,これからDXCCチャレンジを始める方に挑戦意欲を与えることだろう