ユーザーリポート
21MHz帯 1/2λ短縮ノンラジアルアンテナ
〜第一電波工業 GH15NR〜


転勤族にとってHFアンテナを赴任先でいかに設置するか,頭の痛い問題だ.仕事や家族の生活圏を優先すれば,アンテナ設置環境に対するプライオリティは引き下げざるを得ない.
 昨年,筆者は台湾台北市に転勤し,BU2/JJ1TBBでの運用許可を受け,BV2局の協力の下でHF運用を始めた.持参したオーストラリア製のマルチバンドホイップアンテナ「アウトバッカー」も使用したが,数多くのJA局とのQSOが期待できる21MHzの成果 はいまひとつ.悩ましく思っていた.
 アパマン用のアンテナをいろいろ模索していたところ,好運なことに第一電波工業の新製品で,ラジアル不要の1/2λ短縮アンテナ「GH15NR(価格:34,800円)」を使用する機会にめぐまれた.8年前,筆者がシンガポール在住時に9V1ANとしてコンドミニアムでアウトバッカーを使って運用していたころ,「21MHzにこんなアンテナがあれば」とイメージしていたスタイルに合致していた.
 ラジアルがない.接地する必要がない.エレメントと給電部で構成されるアンテナはまっすぐで,設置スペースをさほど必要としない.それでいて飛びも満足できる.シンプルな構成でグラスファイバーロッドは風に強く腐食の心配もない.ラジアルや補助エレメントなどがないため,あまりめだたず,一般 の方々に警戒感を抱かれにくい,といったアンテナは,転勤族にはうってつけのスタイルだ.



D-STAR Infomation
〜デジタル通信とアナログ通信の違い〜


★アナログ伝送では送る情報のタイプ(音声・画像・文字)によって電波型式が異なりますが,デジタル伝送ではそれらのタイプを伝送する際の電波型式は,原則として単一で済みます.つまりデジタルなら,各電波型式に対応するモードを搭載した無線を使わずに済むのです.また,インターネットとの接続などの親和性も高くなります.



Webうおっちんぐ
〜タワー建設のABC〜


★高いタワーを建てる際,都市計画,用途地域,地区計画,景観保護条例などの知識が必要になります.例えば,建築基準法的には問題ない地域でも,15mを超えるものは工作物の扱いとなり建築確認申請を提出しなければなりません.クランクアップタワーも行政によっては,伸ばして15mを超えると建築確認申請が必要な場合が少なくないようです.業務用では意匠的な要素や,携帯電話の基地局の建設などでは近隣住民の反対活動もあるようです.ハムの場合は日頃ご近所とのお付き合いがポイントでしょう.
★ハムの視点から建築確認に関する部分を中心に,特殊なタワーの例や似たような構造を持つ送電線などにスポットをあてました.



快適無線研究所
〜HFのワイヤーアンテナと学生さん〜


夏休みに入ってから立て続けに4通 ,ご質問のE-Mailを中学生,高校生の学生さんからいただきました.いずれもHFマルチバンドアンテナに関するものでした.
 最近では,さまざまな種類のマルチバンドアンテナが発表され,また市販されています.そのせいか,HFのアンテナ=マルチバンドアンテナのイメージができ上がっているようです.確かに住環境の制限によりアンテナの大きさ,形式,本数はある程度制限されます.しかし,学生さんには社会人にはない「時間」があります.たくさんの「時間」を利用してじっくりとアンテナの基本となるダイポールで実験していただきたいものです.ダイポールに始まってループ,オフセンターフェッド,ワイヤー八木,ZLスペシャルといったワイヤーアンテナに発展していけばどれだけプラスになることか…….
 今月はマルチバンドのワイヤーアンテナを考えてみたいと思います.



AirH "Phoneのアマチュア無線的利用法

携帯電話やPHSが普及し,アマチュア無線家の間でもおなじみになりました.DDIポケット(以下DDIP)では,インターネット常時(定額)接続のPHS版ともいえる「AirH"(エアーエッジ)」サービスを2001年夏から提供していますが,2003年4月にJRC(日本無線)から「AirH" PHONE」としてインターネット常時接続の可能なPHS電話機「AH-J3001V」と「AH-J3002V」が発売されました.本稿ではAirH" PHONEをアマチュア無線でどのように活用できるかについて紹介します.



WARC-03バンド確保の活動詳報
〜7MHzバンド拡張と周波数の動向〜


前号でスイスのジュネーブで開催された世界無線通信会議WRC-03の速報として7MHzバンドの拡張を報じましたが,その会議でのバンド確保には相応の難航がありました.同会議にはJARLから原会長をはじめ,JA1KAB小室Reg.3事務局長,JA1TRC岡JARL総務部長付が参加,バンド確保を含むアマチュア無線関係の活動,防衛のために尽力されました.



世界のアマチュア無線情報
From U.S.A


米国の新しい5MHzで,大西洋横断交信
 米国では7月3日より,新しく5MHzで5スポットの周波数が開放されましたが,さっそく7月4日には,大西洋横断の交信に関する情報が入りました.
 この歴史的な交信を達成したのは,米フロリダのK4VUDとイギリス・西ヨークシャーのGqHNWです.彼らは,5403.5kHzを使い,0345UTCに交信したそうです.この交信は,イギリス・エセックスに住むG4XBEによってワッチされていたようです.
 彼はこの交信を聞いた後,N1WJと交信したそうです.この日はさらに,数局の米国ハムが,この2局のイギリス局と交信した模様です.
 K4VUDは,MARK-V FT-1000MPのプログラムを修正して5MHzの送信を可能にし,50W出力にインバーテッドVアンテナを使ったそうです.
歴史的な大西洋横断交信を5MHzで達成した米フロリダのK4VUD