個性的でユニークなアンテナ大集合

無線通信が生まれて,これまでどれだけ多くの種類のアンテナが使われてきたでしょうか.火花通 信から始まったその歴史は次第に変化し,多種多様に広がってきました.
本特集では自作,既製品の別を問わず,個性がきらりと光るアンテナを,いくつかご紹介します.それぞれ,他にはないユニークさを持つアンテナであり,それを使うアマチュア無線家の皆さんの工夫も随所に見ることができます.



広帯域・無調整とビームアンテナのよさが同居
14MHz〜28MHz対応の自作ログペリオティックアンテナ


自作のログペリを使って,14〜28MHzのDX QSOと国内QSOの両方を楽しんでいるのは,埼玉・川口にお住まいのJAHEOK肥後さんだ.ログペリというと,業務用と思われがちだが,どっこい肥後さんはHFのメインビームとして使用している.その成功の秘訣はどこにあるのだろうか.



小型でマルチバンド対応
マグネチックループアンテナ AMA-10D


1983年にドイツのDK5CZにより開発されたマグネチックループアンテナAMA-10Dを,入手しました.高さ6mのサブタワーに設置して,5バンド(7/10/14/18/21MHz)で5WのQRP運用を行いましたので,その概要を紹介します.



4本のバーチカルが指向性を生む異色の7MHzビームアンテナ
4SQアンテナの魅力を語る


著名なローバンダーであるON4UNらが1970年代に外誌に紹介したこの4SQアンテナ.当時はパソコンもなく,卓上計算機を頼りにインピーダンスなどを計算,すると,あるエレメントのインピーダンスが「−」(マイナス)になるなど,ちょっと変わったアンテナであることがわかったといいます.筆者はこの4SQアンテナに挑戦すべく実験,運用を始めて十分に実用になるという結論に達しました.



自作・実験がしやすく実用性もバッチリ!
ハムが生み育てたヘンテナ


いまや世界のアマチュア無線雑誌やハンドブックで取り上げられるなど,日本生まれのアンテナとして紹介されることの多い「ヘンテナ」.1972年に神奈川県の相模クラブで産声をあげたヘンテナは,自作や実験のしやすさ,手軽さとその実用性から多くのハムに使われています.今回はその生みの親でもある相模クラブの現会長を訪ねて,ヘンテナのよさ,魅力についてうかがいました(編集部).



給電部が片側に寄っていて張りやすい
サガ電子工業製1/2λツェップ型ワイヤーアンテナ


筆者は1993年から,しばしば発展途上国に医療援助に出かけています.仕事の合間に楽しむアマチュア無線は,疲れをいやしてくれますが,海外の地で運用する際,問題になるのがアンテナです.




軽量 ・コンパクトながら6バンドにQRV可能な2エレ八木
Super Antennas社 YP-2


昨年5月デイトン・ハムベンションのQRPフォーラムに参加した筆者は,Super Antennas社注1)製のYP-2に魅力を感じました.基本は八木アンテナですが,他のアンテナにはない,そのユニークさに惹かれ,その場で購入してしまいました.