受けては落ち,受けては落ち,そして受かる


 高専に通っていました.

 5年生になると,就職か進学(大学編入)かという選択が迫ります.わたしは,なんとはなしに「大学でも行くべ」と思っていました.でも,家族,友人は

「ぜったいに,ぜ〜ったいに大学に行きなさい!!!!」


と,アドバイスしてくれました.なぜそんなに勧めるのかと聞くと,

「アンタは大学というクッションを置いてから,シャバにでるべき!」


なんだそうです.

 まぁ,そんなもんかな,と思いつつ大好きだったバドミントンに熱を入れ,受験勉強なんてちっともしませんでした.おかげで,その年のバドミントン全国高専大会,女子シングルで3位になりました.でも,編入は…


注:ココで言う「シャバ」とは,「社会人(会社員)としての生活」ということです.念のため




編入で受けたとこ
大学
結果
「つくば大学」の物理学科
×
「大阪府立大」の数理科
×
「広島大学」の電気
×

 まぁ,こんなもんだろう.勉強もしてなかったらね.

 で,これ見た人に言われたんですけど,このあたり,けっこうレベルの高い大学らしい….すみません,高専生活ってのは大学受験とほとんど関係ないところにあるので,そういった「大学のレベル」とか「偏差値」とかあまりわたしにはわかりません.

 それプラス,なんたって,うち貧乏だから.私立なんていけるはずないよう.

 まっ,それはともかく,編入試験ってのはふつう夏の間に行われるので,秋口で落ちてしまうと「就職」か「浪人」かという選択が迫られるんです.かくいうわたしは,秋口で落ちてしまって,「こりゃ,浪人だな」なんて思っていました.


 このような経緯で,親にその旨伝えると,のんきな母は

「じゃぁ,センター試験受けて4年大学に入ればぁ?」

 とのたまわれました.そして,のんき,かつ世間知らずのわたしは

「そうだねぇ.そうするわぁ」

と言って,すっかり乗り気になってしまいました.「わ〜い,今度は文系の学科に行こう!!」などと,まったく世間をなめたヤツでした.そう決めたのは9月の終わり.センター試験まで後3ヵ月.みんなが3年かかって勉強していることをたった3ヵ月でやろうとしている,というかやれると思っていた自分が怖い

注:基本的に普通高校と高専は,まったくカリキュラムが違う.つまり,高専は大学受験用の勉強はしないので,これは,ものすっごくあまい考えだったのだ.だいたいアタシ「共通一次」が「センター試験」になってたことも知らなかったし….





 センター試験当日.

 できるわけないよぅ.たぶん,平均点ギリギリだったのでは? でも,そんな点でわたしが受けようとした大学は,なんと!!

大学
結果
広島大学の文学部
×
都留文科大学の国文科
×
広島女子大の社会福祉科
×


 たいがい,人生なめてますねぇ,わたしって.でも,そのときはとのときで真剣なんですけど.やっぱり,後々考えてみると,ホンマの「考えなし」ですねぇ.


 そういうわけで,7月〜翌年2月に合計6大学落っこちてしまいました.はぁ,もうこれは編入浪人かぁ,とあきらめたところに,その年にかぎって季節外れの編入試験が某国立大学電気電子工学科で行われたのでした.試験は専門と数学の2科目.しかも,口頭試問のみ!! はったりだけなら,結構自信があったわたしは,これはもらったとおもいましたね.で,やっぱり受かりました.はぁ,長い道のり.



 そんなわけで,その大学からの合格通知がきれいな額に入れられて,今でも両親の寝室に飾られているわけです.