原作「収容所のリタヘイワース」,スティーブン・キング
映画「ショーシャンクの空に」

 わたしはとても怖がりだ.
 幽霊なんか大嫌いだし(見たことないけど),ホラー映画だって見ないし(コメディ仕立てはOK),高いところもダメ(でも,高いところに行くと真下をのぞきたくなる).テレビなんかで怖い話が始まりそうになると,チャンネルを変えるか,急いで自分の部屋に戻る.

 むかし,怪談話を聞かされてしまったことがある.そいつは,むりやり聞かせたあげく,「もし夢の中でこの人がでてきたら,おまえ死んじゃうよ」とぬかしおった.それから2日間,アタシャ,徹夜しましたね.怖いから一晩中あかりつけてた.3日目はさすがに疲れて寝てしまったけど….

 とにかく,怖がりなんです.

 でも,なぜか,わたしはスティーブン・キングが大好き.「キャリー」も読んだ(映画も見たし,最後のシーンはいつ見ても悲鳴をあげてしまう).「クジョー」も「ダーク・ハーフ」も「ファイヤスタータ」も,怖いなんて思わず,ガンガン読んでた.なぜかしら? やっぱり,それは,かれだから.つまり,「ストーリ・テーラー」だから.

 で,気色悪いもの好きのかれも,たまに,とても心温まる作品を出してくれる.この心温まる作品のほうが,かれの話し上手が生きているような気がする.あの有名な「スタンドバイミー」.そして,ここで紹介している「収容所のリタヘイワース」.

 「収容所のリタヘイワース」は,新潮から文庫で出ている「ゴールデンボーイ―恐怖の四季・春夏編」に収録されている.無罪なのに殺人犯にされてしまった男が,収容所の中で,それでも希望を捨てずに生きている.そんなはなしかな.

 そして,映画ではタイトルが「ショーシャンクの空に」.これは確か,収容所がショーシャンクにあったからだと思う.これは,傑作!! ティム・ロビンズがかっこいいからというだけじゃない.やっぱり,モーガン・フリーマンが良いのだ.わたしは,映画館を出て,その足でビデオ屋に走り,ビデオ買って家で何回も見てしまった.あんまり言うと,結末の「びっくり」がなくなるから,このくらいにしておこう.結末の「びっくり」を思いっきり味わいたかったら,原作は後で読んだほうがいいだろうなぁ.

 そういえば,「ゴールデン・ボーイ」も映画化されたみたいだけど,あれは,あれだけは…ケロケロ.この「ケロケロ」の意味が知りたいときは,原作読んでみてください.

 映画はまだ見てないけど(トム・ハンクスが苦手だから),「グリーンマイル」もお勧めです.文庫の売りかたには疑問があるけど.